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「ミスター・ロンリー」をお勧めします。

今までのディエゴ・ルナとは、一味違っていました。

画像:misterlonely.jpg説明
弱冠19才の時「KIDS」の脚本を手がけて衝撃的にデビューし、次いで「ガンモ」「ジュリアン」と監督作を発表してその天才ぶりを広く世界に知らしめた、ハーモニー・コリンが8年ぶりに復活しました。
他人の借り物の人生を生きる孤独で不器用な連中が織り成す不思議な人間模様を、愛おしさをこめて切なく描いていました、ディエゴ・ルナやサマンサ・モートンの主役陣に加え、コリンが敬愛する2人の先輩監督のヴェルナー・ヘルツォークと、レオス・カラックスも役者として出演しています。


パリの街角でマイケル・ジャクソンのモノマネ芸人として1日24時間を過ごすマイケル(ディエゴ・ルナ)。ある日彼は、マリリン・モンローのモノマネ芸人として生きる魅惑的な美女マリリン(サマンサ・モートン)と出会い、たちまち彼女に恋をする。チャップリンのそっくりさんの夫チャーリー(ドニ・ラヴァン)ら、他のモノマネ芸人たちとスコットランドの古城で共同生活を営む彼女に誘われて、マイケルもその仲間に加わり、そこで地上最大のショーを開催しようと奔走するのだったが…。



弱冠19歳で書き上げた「KIDS/キッズ」の脚本で“恐るべき子供”と注目を集めたハーモニー・コリンが、「ジュリアン」以来8年ぶりに手掛けた監督第3作です、有名人のそっくりさんとして私生活でも他人を演じ続ける人々が共同生活を送る古城を舞台に、繊細で不器用な男女が織り成す奇想天外にして切ない人間模様を綴ります。

ディエゴ・ルナ演じるマイケルは幼い頃から自分に違和感を抱えマイケル・ジャクソンを演じる不器用な青年、仕事としてモノマネを披露している時はもちろんそれ以外の時もずっとマイケル・ジャクソンになりきって生活。
ある時老人ホームでの仕事の際彼はサマンサ・モートン演じるマリリン・モンローとして生きる美女と出会い恋に落ちる、彼女は夫のドニ・ラヴァン演じるチャップリンと7歳の娘シャーリー・テンプルと一緒に、スコットランドの古城で他のモノマネ芸人たちと共同生活を送り彼らと地上最大のショーの実現を目指していた、そんなマリリンに誘われるままスコットランドへと向かうマイケルでしたが・・・。

はじめはこの物語の説明だけを読んでこの『ミスター・ロンリー』はドキュメンタリーだと思っていました、マイケル・ジャクソンの真似をしながら友達のいない淋しい人生をおくるマイケルがマリリン・モンローそっくりのマリリンと出会い、スコットランドにある夢の国で“地上最大のショー”を行うことを目指します、彼らの仲間の疫病の為に殺された羊たちに捧げられるように“地上最大のショー”を行いますが果たして。

彼らの楽園で羊たちに疫病が流行って羊が撃ち殺されるのですが、その時に歌われる『首吊りの歌』が気持ち悪くて微妙に不気味で耳に残ります、ディエゴ・ルナのマイケル・ジャクソンやサマンサ・モートンのマリリン・モンローってどうなのよと思っていましたが、意外にディエゴ・ルナのマイケルはダンスも歌もイケてたしサマンサのマリリンも綺麗で色っぽくて素敵でした。

他にもチャップリンやマドンナにサミー・デイヴィス・Jsにジミーをはじめリンカーン大統領にローマ法王など、沢山のソックリさんが出てくるんですが皆どこか不器用で孤独なんですがそんな彼らを見つめる眼差しは暖かかったです、どの国でもああいうソックリさんというのはもてはやされるんですね。

ヘルツォーク監督が神父さんを演じていて食料を飛行機から一緒に乗っていて誤って落ちたシスターが平然と元気に歩いていたのには笑えました、そのシスターがその“奇跡”を売りにしてバチカンに行くことになるんですがこれがどう繋がるんだと思っていたら、最後の最後になってなるほどそうきたかと思わず唸らされました。

『人は必ず死ぬ、生きたいように人生を生きろ』という主題が切ない感じで伝わってきました、誰かの真似を止めた時にいったい人はどうなるのか、お勧めします。