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「エンジェル 」をお勧めします。

ロモーラ・ガライ良かったです、フランソワ・オゾンってやっぱり凄い!!

画像:angel228.jpg説明
「8人の女たち」などでおなじみのフランス映画界の異才、フランソワ・オゾンが今回映画化の題材に選んだ小説の作者は、奇しくもあのハリウッドの大女優と同じ名前を持つ英国の埋もれた女流作家エリザベス・テイラー。上流社会への仲間入りを果たしたいという自らの夢の実現のため、ひたすら我が道を突き進む情熱的なヒロインの栄光と挫折を、往年のハリウッド映画を彷彿とさせる豪華絢爛たる色彩、美術を駆使して時に甘美に、時にほろ苦く綴っていきます。主演は「ダンシング・ハバナ」のロモーラ・ガライ、共演にサム・ニールにオゾン作品には欠かせないシャーロット・ランプリング。


 20世紀初頭の英国。貧しい家庭に生まれ育ち、幼い頃から上流階級に強い憧れを抱いていた16才の少女エンジェル(ロモーラ・ガライ)は、その自らの夢や憧れを物語として書き綴り、それが首尾よく編集者の目にとまって出版されるや、たちまちベストセラーに。人気作家の仲間入りを果たしたエンジェルは、やがて豪邸に移り住んで贅沢な生活を味わい、さらに上流階級出身の画家エスメ(マイケル・ファスベンダー)とも結婚して、子供の頃からの夢をすべて実現させたかに思えたのだが…。



「8人の女たち」「スイミング・プール」のフランスの鬼才フランソワ・オゾン監督が、彼にとって自身初の全編英語で撮り上げた異色メロドラマで作家として若くして成功を手にした一人の女性が辿る華麗にして数奇な人生が、ハリウッド映画黄金期のテクニカラー的世界の中に綴られてゆきます。
主演は「ダンシング・ハバナ」のロモーラ・ガライ、共演にサム・ニールにシャーロット・ランプリング。

1900年代初頭のイギリス。貧しい家庭に生まれた少女ロモーラ・ガライ演じるエンジェル・デヴェレルは、上流階級に憧れその世界を夢想しては文章にしたため物語を紡ぎ出し飽くなき情熱と文才を発揮し16歳にして念願の作家デビュー、デビュー作『レディ・イレニア』は瞬く間にベストセラーなってエンジェルは人気作家になり夢見たとおりの暮らしを手に入れるのでしたが・・・。

フランソワ・オゾン監督による女性賛歌のコスチューム・プレイです、『オール・アバウト・マイ・マザー』や『トーク・トゥ・ハー』のペドロ・アルモドバル監督もそうですが、フランソワ・オゾン監督も『スイミング・プール』や『8人の女たち』と同じ女性賛歌の映画が多いですよね。

主演のロモーラ・ガライ演じるエンジェルが本当に上流階級に憧れる文才はあるけどバカでワガママな娘で良かったです、自分の書いた『レディ・イレニア』の文章の間違いをサム・ニール演じるセオ・ギルブライトに指摘されても(例えばシャンパンは栓抜きは使わないと訂正しても)『単語一つ・コンマ一つ訂正しない』と突っぱねます、しかし上流階級の生活を知らないし本を沢山読むわけでも無くそれを認めるのは嫌だから陰でコッソリ涙を流します、セオ・ギルブライトの妻のシャーロット・ランプリング演じるハーマイオニーにも無礼な態度をついとってしまいます。

しかしフランソワ・オゾン監督が言うようにエンジェルの服装が上流階級のモノと変わるのとシンクロして、エンジェルの服装や言動・振る舞いも変わりますが頑固で実は繊細だと言うところは変わりませんでしたね、でも母親に対する愛情を素直に表現出来るようになったり段々と言葉遣いや振る舞いも丁寧になって行きます、このロモーラ・ガライは『ダンシング・ハバナ』などでも見ましたがこんなに演技が上手くなるとは思いませんでした。

エンジェルの才能に惚れ込み召使いとなるノーリー郷の姪のルーシー・ラッセル演じるノラ・ハウ=ネヴィンソンも見事、エンジェルが恋をするイケメン芸術家気取りの女誑しのノラの弟エスメ・ハウ=ネヴィンソンもいかにもですが昔も今もイケメン芸術家はモテますね、オゾン監督作品には欠かせないシャーロット・ランプリングも相変わらず綺麗で演技も抜群でしたが早く手遅れになる前にオスカーを上げたいです。

なかなか見事な甘くほんのり切ない女性賛歌の映画でした、『オーメン』の印象が未だに強いサム・ニールも何時もと違う役で発行人のビルを好演していましたね、ロモーラ・ガライが素晴らしかったです、お勧めします。