 | B級SF映画の最高傑作とも評される、ドン・シーゲル監督の「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」(566)を皮切りに、ジャック・フィニイの古典SF小説『盗まれた街』の映画化の試みは、フィリップ・カウフマン監督版(78)・アベル・フェラーラ監督版(93)に次いで本作が4度目となります。 今回は「ムーラン・ルージュ」「めぐりあう時間たち 」のニコール・キッドマンと、「007/カジノ・ロワイヤル」のダニエル・クレイグの2大スターが息詰まる競演を見せていました。演出を手がけたのは「ヒトラー〜最期の12日間〜」で評判となった、ドイツ人監督のオリヴァー・ヒルシュビーゲルです。
ワシントンの女性精神科医キャロル(ニコール・キッドマン)は、近頃、患者たちが、身近な家族や友人が見た目は以前と変わらないのに、どこか別人となってしまったようだ、と異口同音に訴えるのを耳にして、周囲でひそかに進行している異変に気づく。実は地球に漂着した謎の異星体が、次々と人体を乗っ取っていたのだった。キャロルは、同僚の医師ベン(ダニエル・クレイグ)と協力しながら、最愛の一人息子オリヴァー(ジャクソン・ボンド)を謎の異星体から守り抜こうと懸命に奮闘するのだが…。
オスカー女優ニコール・キッドマン主演で贈るSFスリラーです、ジャック・フィニイのSF古典小説『盗まれた街』から4度目の映画化となります、今回は人類を脅かす謎のウィルスによる脅威から息子を守ろうと奔走する女性医師を描きます。 共演に「007/カジノ・ロワイヤル」のダニエル・クレイグやジェフリー・ライト、「es [エス]」「ヒトラー 〜最期の12日間〜」のオリヴァー・ヒルシュビーゲル監督が初の英語作品に挑んだ作品でもありました。
ある日スペースシャトルが原因不明の事故で地球に墜落しその残骸の中には謎の生命体が付着、やがて間もなく感情を失ったように人間の行動を変質させる謎の伝染病が発生します。 精神分析医のニコール・キッドマン演じるキャロルは友人の医師ダニエル・クレイグ演じるベンと共に、この病原体が地球上のものではないことを突き止め分析の結果そのウィルスは人体に進入し潜伏すると、睡眠中に遺伝子を書き換え人間ではない何かに変えてしまうものだと判明しました。 さらに最愛の息子ジャクソン・ボンド演じるオリバーがウィルスの拡大を阻止する鍵を握っていることも分かりますが、元夫に預けていたオリバーの行方は分からなくなってしまっていて・・・。
古典的SFホラーの名作ジャック・フィニィの『盗まれた街』の4度目の映画化作品でした、『盗まれた街』と言ってピンと来ない人も『ボディ・スナッチャー』と言えば分かるんじゃないでしょうか、先頃『ギャラと興行成績があわない俳優1位』に元ダンナのトム・クルーズを従えて、堂々トップを獲得してしまったニコール・キッドマンが主演した作品でした。
今回は格好良すぎる“ニュー・ジェームズ・ボンド”のダニエル・クレイグにジェフリー・ライトらが出演していて、主要なモノや“睡眠”が大きな意味を持つのは今までの『ボディ・スナッチャー』と変わりませんでしたが、ちょっと違ったのは母親と子供の繋がりや現代の世界や世相を反映した作品になっていたことでした。
僕『盗まれた街』の映画化作品『ボディ・スナッチャー』を過去3作全て見ていますが、この話題にあまりのぼらなかった『インベーション』もまぁまぁ面白かったですよ、今までの作品とは少し違った作品で“ボディ・スナッチ”の恐怖とともにニコール・キッドマン演じる強い母親キャロルと、息子オリバーの結び付きや戦争や侵略行為といった行動が物語の中核になってきます。
まぁせっかく現代に物語の場を移したんだから多少CGを使いまくるとか、目新しくした方がという意見もあるようですが、『ボディ・スナッチャー』を知っている人も知らない人も楽しめる作品でした、お勧めします。 |