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「不完全なふたり」をお勧めします。

なんか、『ハッキリしろ』と言いたくなりました。

画像:fukanzennafutari.jpg説明
前作の「H story」では、フランスの人気女優ベアトリス・ダルを自身の故郷・広島に迎えて映画を作り上げた諏訪監督が、今回はみずからフランスに乗り込んでオール・ロケを敢行しました。
主演は「ふたりの5つの分かれ路」のヴァレリア・ブルーニ・テデスキと、「ソン・フレール -兄との約束-」のブリュノ・トデスキーニをはじめ、ヨーロッパの実力派キャスト・スタッフとの全面的な共同作業の中から生み出された大人の恋愛ドラマでした。2005年ロカルノ国際映画祭では、審査員特別賞と国際芸術映画評論連盟賞をW受賞したそうです。


 友人の結婚式に出席するため、リスボンからパリにやってきた夫妻、ニコラ(ブリュノ・トデスキーニ)とマリー(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)。既に結婚して15年目を迎える2人は、友人たちから理想のカップルとみなされていたが、実は既に近いうちに離婚することを決めていた。パリ滞在中の数日間にも、たびたび口論し、心のすれ違いを繰り返す2人。結婚式も無事終わり、いよいよ帰国の時が近づくが…。


『H story』の諏訪敦彦監督がオール・パリロケ、全編フランス語でフランス人で撮り上げた作品でした。
離婚寸前の夫婦がパリで過ごす数日間を赤裸々に描き出していますが、脚本に頼らずにリハーサルを重ねてドラマを作り上げていく、独特な演出が活きたリアルな大人の恋愛映画でした。
諏訪監督はゴダールを始めヌーヴェルバーグに傾倒していてフランスを愛し、この映画にも主演しているヴァレリア・ブルーニ・テデスキをはじめ、皆出演を希望するほどフランスの映画関係者からも信頼されているそうです。この『不完全な二人』はロカルノ国際映画祭で最優秀脚本賞を始め、2部門を獲得したそうです。
離婚をしようとしたマリーとニコラは友人の結婚式のためにパリの街を訪れますが、15年目の離婚について2人は互いに“俗物”などと言って罵り合いますが、なかなか最後の一歩は踏み出せないままでいました。
パリ滞在中にマリーもニコラも各々自分だけの時間を過ごしますが、何故離婚するのか・離婚の理由はなんなのか考えたりします、そして二人が最後に出した答えは・・・。
パリの街は“恋の舞台”にはピッタリの街ですね、ロダンが愛人のカミーユ・クローデルが身ごもったとされる時期につくり上げたとされる、『永久の偶像』かとても印象に残りました。
ニコラもマリーも15年も一緒にいるのにお互いの本当の魅力に気が付かないのか、という感じもしましたし劇中でもセリフでありますが離婚を決意した理由がこちらにはハッキリしません。
僕が結婚を経験していないからかもしれませんが、なんか映画祭で賞を受賞するような素晴らしい映画だとは思いませんでした、ラストの駅のホームでのニコラとマリーのシーンには心を打たれましたが。
ブラック・バックの変わりにワインレッドの色を使ったり、色々と工夫していたのも良かったですかね、でも最後まで『優柔不断の男女の物語』にしか思えませんでした。
取りあえずラストのシーンが良かったのでお勧めしておきます。