 | 2人のオスカー女優、ジュディ・デンチとケイト・ブランシェットが迫真の演技を披露するサスペンス・ドラマです。 新任の美しい女性教師に時ならぬ心のときめきを覚え、歪んだ愛情を寄せていくオールド・ミスのベテラン女性教師。ところが新任教師はこともあろうに、教え子である15才の男子生徒と禁断の肉体関係を結んでしまいます。相手の弱みを握ったベテラン教師は、彼女を思うがままに操ることが可能となって・・・・・。 そんな思わず背筋も凍りつくような女性同士の愛憎劇を、演技力には定評のある新旧2人の大物女優ジュディ・デンチとケイト・ブランシェットの、息詰まる競演でスリル満点に描いていました。監督は「アイリス」のリチャード・エアー、共演にビル・ナイや新人のアンドリュー・シンプソンなど。
おもに労働者階級の子供たちが通うロンドン郊外にあるセントジョージ総合中等学校。ここで歴史を教えるベテラン教師のバーバラ(ジュディ・デンチ)は、厳格すぎるゆえに生徒ばかりか同僚教師たちからも疎まれる孤独な存在だった。そんなある日、美貌の美術教師シーバ(ケイト・ブランシェット)が赴任してくる。彼女との間にならば友情が築けると確信したバーバラは、以来シーバを秘かに観察し、それを日記に書き留めていく。そして、ある出来事をきっかけにシーバと親しくなったバーバラは、上流階級の幸せそうな家庭生活にシニカルな感情を抱きながらもシーバとの友情に喜びを感じていた。ところがある時バーバラは、シーバと男子生徒スティーヴン(アンドリュー・シンプソン)の情事の現場を目撃してしまう…。
ケイト・ブランシェットと“デン”ジュディ・デンチという、超2大演技派女優が激突するサスペンス・タッチのドラマです。 15歳の生徒と関係を持ってしまった女性教師と、その秘密を握って彼女と特別な友情を育もうとする、孤独な教師が織りなす愛憎を描いています。 この物語はアメリカで実際に起きた事件にインスパイアされて生まれた小説を題材に映画化したものですが、この事件は僕もニュースで見て知っていたので楽しみでした、しかし男の教師に女生徒では無く女教師に男子生徒とは・・・。 歴史科の教師のジュディ・デンチ演じるバーバラは孤独な教師で打ち明けられない話を日記につける毎日、新任の美術の教師のケイト・ブランシェット演じるシーバは若くて美しくて魅力的、ビル・ナイ演じる夫のリチャードや子供達に囲まれて幸せでしたが、教え子の僅か15歳の生徒スティーヴンと関係を持つようになります。 スティーヴンとシーバの仲を知ってしまったバーバラは、相談を受けるフリをしてシーバの秘密を聞き出し、それを理由にシーバに近付いて行きますが・・・。 僕はケイト・ブランシェットが主人公でジュディ・デンチが彼女に寄っていく女性を演じ、それをケイト・ブランシェットの目線から描いたドラマだと思っていましたが、実際にはジュディ・デンチの目を通して物語が語られて進んで行くんですね。 若くて美しくて魅力的だけど生徒と関係を持ってしまう少し愚かな美術教師を、ケイト・ブランシェットが普段は見せないような美しさで見事に演じていましたね、確かに愚かな人間ではあるけれどどこか肩入れしたくなるシーバを熱演していました。 “デン”ジュディ・デンチも意地悪である意味コワい年増の教師を演じていました、彼女は『アイリス』や『ヘンダーソン夫人の贈り物』などどんな役でもこなしてしまいますが、今回のバーバラ役は“迫力”を感じさせてくれる見事な演技でしたね。 どちらも愚かな人間を演じているんですがその“愚か”の意味が少し違っていました、ケイト・ブランシェットは年の離れた旦那と2人の子供の世話に少し疲れてしまい、教え子と情事を重ねることで“女”としての自分を保とうとします。 ジュディ・デンチは本当に孤独な女性で友達も作らず(出来ず)、日記に日々の出来事や思いを記していくんですがレズビアンと若くて美しい女性と親しくなりたいという、微妙な境界線上の女性を熱演していたように感じました。人の相談にのるふりをしてその人の弱味につけ込むように、巧みに隙間に入り込んでいくある種病的な女性を演じているんだけど、見ていて思わず『上手いなぁ』とため息が出てしまいました。 ジュディ・デンチが『昔の生徒達はタバコやポルノ雑誌を隠していたけど、最近の子供達は麻薬やナイフを隠している、それを“進化”と呼ぶらしい』というセリフがあるんですが、このセリフは素晴らしかったし見事だと思いました。 なかなか素晴らしい映画でした、ラスト・シーンを見て『やっぱりバーバラは、死ぬまでバーバラ』だと思わされました。 一つ気になったのですがケイト・ブランシェットの携帯の着信音、『ラブ・アクチュアリー』のサラ(ローラ・リニー)が弟からの音と一緒でした。イギリスでは流行っているんですかね、知っている方いらっしゃいましたら教えてください、お勧めします。
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