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「赤い鯨と白い蛇」をお勧めします。

変な題名ですが、立派な反戦の映画です。

画像:akai369.jpg説明
ドラマ「愛の劇場」シリーズを始め、TV界草創期から数々の名作を送り出してきたベテラン演出家・せんぼんよしこが、「戦争の記憶を引き継ぐ」という思いを込めて、70歳にして初監督に挑戦した入魂作です。
千葉・外房の海辺に近い、かやぶき屋根の邸宅を舞台に、老女から小学生まで5世代にわたる女たちが一軒の家に引き寄せられたように出会い、奇妙な交流を重ねていきます。
香川京子、樹木希林、浅田美代子、宮地真緒と坂野真理。大ベテランから子役まで5人の女優たちがそれぞれ存在感あふれる好演を見せ、静かな感動を呼ぶ好編に仕上がっていました。


 雨見保江(香川京子)は、千倉に住む息子夫婦のもとに身を寄せることになり、孫の明美(宮地真緒)を伴って千倉に向かう。その途中で“どうしても昔住んでいた家を見に行きたい”と、館山駅で途中下車する。その家は茅葺き屋根の古い民家だった。保江の家族は戦時中この家に疎開していた。保江にとっては青春の思い出が詰まった家だった。現在、この家には光子(浅田美代子)とその娘・里香(坂野真理)が住んでいた。光子は、この家は取り壊して立て直すのだと話す。やがて、以前、この家を借りていた中年女性・美土里(樹木希林)も現われ、いつしか彼女たちは古い知り合いのように打ち解けていく…。


海辺の町の古いかやぶき屋根の家に引き寄せられた5人の女性、さまざまな世代の彼女たちは互いの人生を語り合いながら平和への思いを馳せます。
テレビ界のベテラン演出家せんぼんよしこさんが“戦争の記憶を引き継ぐ”という、思いを込めて映画初監督した人間ドラマでした、こういう『戦争の記憶を語り継ぐ』という映画は大切にしてほしいです。
海辺の古い屋敷を訪れた宮地真緒チャン演じる田中明美と祖母の香川京子演じる保江、現在の主の浅田美代子演じる光子とその娘の里香が住んでいましたが、新しい家に越すのでこの屋敷はあと数日で取り壊されることに。二人は光子の好意でしばらくこの屋敷を散策することになります。
水神様を御参りしたりしているうちに保江は『この屋敷で月を見たい』と言い出して、嫌がる明美も付き合いで一緒にこの屋敷にお世話になりますが、やはり二十年程前にこの屋敷に住んでいた樹木希林演じる美土里が夜に突然現れ、この屋敷に住む三世代の住人たちが吸い寄せられるように集まりました。
保江は『昔この屋敷には150年生きている白い蛇がいて、その白い蛇と話すと幸せになれる』と言い出し、やがて保江は『約束を思い出した』と言い出してふらりと姿を隠してしまい皆を困らせますが、保江は天井に竜神様がいる“防空壕”にいました・・・。
女5人がそれぞれに『老い』や『妊娠』に、『亭主の失踪』『事業の失敗』『家族』といった問題を抱えていますが、それを話しながらやがて保江は終戦間近にある人と約束した物語を語りはじめます。
保江の戦争体験に美土里や光子の再生、明美や里香の成長が語られていて、命の繋がり・命の移りを強く感じました。
しかし香川京子さんが演技が上手いのは分かりますが、浅田美代子さんの演技もとても肩の力が抜けていて良かったです。いつも思うんですがこの人はおバカなところがあって、『よくこの年まで無事に生きてこられたな〜』と思うこともありますが、女優として演技をするとビックリするくらい自然で上手いですよね、“おバカ”は実は演技なんですかね?樹木希林さんも相変わらず上手かったです。
宮地真緒チャンも久しぶりに大きないい役で元気な姿を見せてくれていました、子役のリカ役の坂野真理チャンも頑張っていましたね、なんで題名が『赤い鯨と白い蛇』なのかも物語を見ていれば分かります、こういった肩の力の抜けた『反戦映画』もいいですね、お勧めします。