 | トム・ペロッタの全米ベストセラー小説を、「イン・ザ・ベッドルーム」のトッド・フィールド監督が映画化した悲喜劇メロドラマです。 郊外の住宅地を舞台に、いい年して今の自分を受け入れられず別の人生を夢見てしまう大人になりきれない大人たちの哀しい人間模様を、同情と共感を込めつつもシニカルに綴ります。主演は本作で5度目のオスカー・ノミネートとなった「タイタニック」のケイト・ウィンスレット、共演にパトリック・ウィルソン、ジェニファー・コネリーなど。2007年のアカデミー賞では主演女優賞と脚色賞に加え、子役出身のジャッキー・アール・ヘイリーが助演男優賞に初ノミネートされ、大きな話題となりました。
夫のリチャード(グレッグ・エデルマン)、3才の娘ルーシー(セイディー・ゴールドスタイン)と共にボストン郊外の閑静な住宅街に越してきて、まだ日の浅い主婦のサラ(ケイト・ウィンスレット)。ある日サラは、近所の主婦たちから好奇の眼差しを浴びる子連れの主夫ブラッド(パトリック・ウィルソン)と出会って意気投合。いつしか2人は、相手を想う気持ちを抑えられなくなっていく。おりしもその頃街では、性犯罪の常習犯であるロニー(ジャッキー・アール・ヘイリー)が出所したことから、子供たちを彼から守ろうとするキャンペーンがヒステリックな高まりをみせるようになり…。
全米ベストセラー小説の映画化です、閑静な住宅街で何不自由ない生活をおくりながら、どこか虚無感を抱える大人になれない大人たちが織りなす悲喜を、ある事件を通して映し出しています。 『タイタニック』のケイト・ウィンスレットが不倫に陥る主婦を熱演、原作者のトム・ペロッタが脚色を施してオスカー候補になった他、子役からスタートした『がんばれベアーズ!』のバイクに乗った悪ガキ・ケリーの、ジャッキー・アール・ヘイリーも見事に“変態男ロニー”として復活し、アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされましたね。 ケイト・ウィンスレット演じるサラと司法試験に2回落ちたパトリック・ウィルソン演じる“プロム・キング”ブラッドは、家庭の事情や仕事のこともあって頻繁に会うようになって何時しか仲良くなっていきます、そんな時ジャッキー・アール・ヘイリー演じる“小児性愛者”で服役していたロニー・マゴーヴィー が市民プールに現れて、この事件のがきっかけとなりブラッドとサラは不倫の関係になって深みにハマっていきます。 僕がジェニファー・コネリーが奥さんだったら毎日寄り道しないで毎日家に一目散に帰りますが、旦那のブラッドは図書館へ行ってもアメフトやスケボーを眺めていたり不倫ばかりしていて、家族のために勉強もしないで優柔不断ぶりを爆発させ不倫に励んでいます、実際にこういう大人が今の世の中はいっぱいいるんでしょうね。 サラの旦那のリチャードも稼ぎはありますがネットのエロ・サイトにドップリハマっていて、かまってもらえないサラが不倫に走ってしまうのも分かる気がしましたが、なんかパトリック・ウィルソンていい男なのにこういう役柄が多いですね、ナイーブで神経質そうな2枚目に見えるから『ハード・キャンディ』やこの『リトル・チルドレン』のような役が多いのかも。 相変わらずケイト・ウィンスレットとジェニファー・コネリーの演技は良かったですね、ケイトは脱ぎっぷりも良かったですが“変態男ロニー”を演じていたジャッキー・アール・ヘイリーも素晴らしかった、小児性愛者は服役して出所してきてもこういう仕打ちはある程度は仕方ないのかも知れません。 最後はロニーを最期まで愛していた母のメイが元警官のラリーのやりすぎで亡くなってしまいますが、この事件とブラッドの“何故かスケボーに燃えて我に帰る”事件に“ルーシープチ疾走”事件で、皆が悪い夢から覚めたように一気に“大人の階段”を登り始めますが、ラストのロニーの行為が最初の『変態男は去勢すればいい』の言葉を受けたようなラストでした。 大掛かりで豪華ななソープ・ディッシュ(昼メロ)を見ているみたいでした、“変態男”も”大人になれない大人たち”も大した差はないのかもしれません。前半の緊張感溢れる展開に比べると後半は間延びしたような感じもありましたが、いい映画だと思いました、お勧めします。 |