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「ハウス・オブ・ブラッド」をお勧めします。

ただグロ・シーンがあるだけではない、いい映画だったと思います。

画像:houseofblood10030326695.jpg説明
『バーニング・ムーン』の残虐描写でホラー映画ファンに衝撃を与えたドイツの鬼才オラフ・イッテンバッハ監督。
続く『新・ゾンビ』では斧やチェーンソーでの人体切断、『ビヨンド・ザ・リミッド』では拷問、虐殺シーンと人体破壊描写は新作ごとに磨きがかかり常に見るものを圧倒していきます。
この『ハウス・オブ・ブラッド』は、その集大成といえるクオリティの高さを魅せ付けています。スコップとハンマーで打ちのめされ原型を失ってゆく様を丁寧に描いており、随所にホラーファンを満足させる質の高さが窺える作品に仕上がっていると思います。
脚本は、前作『ビヨンド・ザ・リミッド』に引き続きオラフとトーマスが共同執筆。ドミノ倒しのようにひとつの惨劇が引き金となり、永遠に連鎖する恐怖を描いています。
キャストは、『ダ・ヴィンチ・コード』のユルゲン・ブロフノウをはじめ、『イーオン・フラックス』のメーメット・イルマッツや『エラゴン』のジェームス・バトラーといった俳優陣が出演、B級作品に陥りがちなホラー作品を、一級?エンタテインメントに押し上げていました。

  
 囚人を乗せた護送車が交通事故に巻き込まれた。横転した護送車から逃げ出した囚人たちは武器を奪い警護の警官と銃撃戦を繰り広げた。多くの死者を出した結果、5人の囚人が自由と一人の人質を手に入れることに成功した。
ハイウェイから外れ鬱蒼とした森に逃げ込んだ囚人たちは、そこで古い作りをした屋敷を見つける。囚人たちは銃を掲げて踏み込むと住人たちを別室に押し込め屋敷を占拠した。
理想的な隠れ家を手に入れ安堵する囚人たちだが、徐々に住人たちの様子がおかしいことに気が付く。ひとりの囚人が屋敷の探索を行った。微かな物音を手繰り足を進める囚人の前には、血の滴る人間の腕を食らう男がいた……。


“人体破壊描写”など残虐シーンに定評のあるオラフ・イッテンバッハ監督の最新作で、まさにこれぞ“イッテンバッハ”とも言える集大成のような作品でした、殺戮に次ぐ殺戮で一瞬のうちに展開される地獄絵図は凄いモノがありました。
医師のダニエルは交通事故に巻き込まれ逃げ出した囚人たちに人質兼医者として、鬱蒼とした森に逃げ込んこみ一風変わった屋敷を隠れ家にします、しかしアリスをはじめ住人たちの様子が何やらおかしい事に気がつくと、血の滴る人間の腕を食らうゾンビのような男が現れます!
アーサーら囚人たちはゾンビのようで悪魔のような住人たちに襲われます、ダニエルはアリスの助けもありなんとか逃げ出しますが、現地の警察のユルゲン・プロフノウらに捕まって話しを信じてもらえず刑務所へ。そしてダニエルらを護送する車が横転して再びダニエルらは、悪魔のような住人たちが住む鬱蒼とした森に迷い込んでいきます、似た話が続きますが全く同じでは無く微妙に違っているんですね。
『ビヨンド・ザ・リミット』はまだ見ていませんが、イッテンバッハ監督やドイツのスプラッター・シーンの凄さは知っています、この『ハウス・オブ・ブラッド』でも強力なゴア・シーンやスプラッター・シーンが満載でした、最初に顎を砕かれた警官が出てきたり石でアーサーって奴に顔を粉々にされる警官も出てきますが、それが『アレックス』の“消火器顔潰し”よりも凄くてかなりキテいました。アーサーは顔を潰すのが好きなのかゾンビのような敵の頭を何人も砕きます、これがまた迫力ありましたがいくら顔を潰されてもまた復活する“ゾンビのような悪魔たち”は再生します、だから厳密にはゾンビでは無いかもしれませんがとにかく恐ろしい生き物です。
アーサーが途中でアリスのことを『不思議の国のアリス』ならぬ、“不気味の国のアリス”と呼ぶんですがなんか妙にあってて笑えました、アリスも凄く綺麗なヒロインという訳では無かったですが、段々話しが進むうちに立派なヒロインに見えてくるから不思議なモノです。
何度も同じようなストーリーが繰り返される地獄をダグは、アリスとの大昔の出来事を思い出して『混沌と混乱の中で、奇跡的な救いが差し伸べられることもある』と言って、自ら延々と続くかもしれない悪の連鎖を断ち切ります。
ゾンビのような住人たちは頭を破壊しても再生してしまうし、人肉を喰らいますが死人でも無ければ死ぬこともありません、いったい何なのかと思わされますがそのあたりもイッテンバッハ監督のやりたかった事なんですかね。
恐ろしいほどのゴア・シーンやスプラッターも見どころですが、イッテンバッハ監督がなんとかラブ・ストーリーに仕上げようとしたのも評価してあげたいです、もう少し思い入れやアリスとダグとのお話しの挿入シーンがあったらなとも思いました、お勧めします。