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「エンパイア・オブ・ザ・ウルフ」をお勧めします。

ジャン・レノ主演です。

画像:empireFTH.jpg説明
「クリムゾン・リバー」のジャン=クリストフ・グランジェによる、小説「狼の帝国」を映画化したものです、今回も国際派スターのジャン・レノが主演を担当しました。
トルコ移民の暮らすパリ10区で起きた連続猟奇殺人事件を追う若手刑事と、ジャン・レノ扮する一匹狼の刑事シフェール。その一方、記憶喪失で夫の顔すら思い出せない高級官僚夫人の謎が展開し、やがて2つの事件の裏に広がる大きな陰謀が明らかになっていきます。
ムーディでスタイリッシュな映像に加え、要所で繰り広げられる派手なアクション場面も見どころかな、監督は「キス・オブ・ザ・ドラゴン」のクリス・ナオンです。

 
 パリ10区のトルコ人街で3人目となる女性の惨殺死体が発見される。若手刑事ポール・ネルトー(ジョスラン・キヴラン)は、トルコ人裏社会に通じたベテラン刑事シフェール(ジャン・レノ)の助けを借り捜査に当たる。シフェールの強引なやり方に反発を覚えるポールだったが、捜査は次第に核心へと近づいていき、ついに2人は内務省高級官僚の妻アンナ(アーリー・ジョヴァー)へと辿り着く。彼女は自らの記憶に疑問を抱き、失われた記憶を求めて行方をくらましていた。そして、アンナと連続殺人事件を結びつける、ある強大な秘密結社の存在が明らかとなるのだが…。


トルコの国粋主義組織“灰色の狼”をモチーフに、猟奇連続殺人事件と記憶障害に悩む高級官僚の妻のトラブル、この2つの糸がやがて一つへと交わって行く姿を描いています。
『クリムゾン・リバー』シリーズの作家ジャン=クリストフ・グランジェの原作とのことですが、僕は『クリムゾン・リバー』をあまり評価していなかったので少し心配でした、この人の作品は原作は面白いんだろうけど映画化されるとおどろおどろしいのは良いのですが、見かけ倒しというか大袈裟な所があってイマイチ面白みに欠ける感じがするんですよね。
『レオン』の“ミスター・ストイック”ジャン・レノが、汚職の噂が絶えないベテラン刑事の“悪魔”シフェールを演じていました、シルバーの髪に十字架のタトゥーで無精ヒゲといういでたちで、トルコ人街の裏社会に潜入するシフェール刑事を熱演してました。
ジャン・レノは『グラン・ブルー』や『レオン』があまりに素晴らしかったセイもありますが、最近はあんまり出演作に恵まれていないというかいい役をやっていないですよね、今回は『クリムゾン・リバー』とは少し違っていかにも“はみ出し者”といった刑事役でしたが、似合っていたしまぁまぁ今回は良かったですかね。
官僚の妻で夫についてだけ思い出せないという記憶障害に悩むアンナは、マチルドという精神科医に看てもらううちに夫では無く自分が整形されていたと知ります、またネルトー刑事は“悪魔”“鉄の男”の異名をとるシフェール刑事と協力して、連続殺人事件を追いかけますがやがてトルコ人街の裏社会を探るうちに、事件の本筋が明らかになってきます。
予想していたよりも面白い推理サスペンスに仕上がっていたかな、後半はちょっと強引かとも思えましたがドンデン返しというかこちらの予想を上回る展開が続いて、“灰色の狼”の謎に迫ったりと色々考えさせられました、ネルトー刑事とアンナの頑張りがシフェール刑事以上に印象に残りました、お勧めします。