 | 第二次世界大戦のレジスタンス運動を背景に、運命に翻弄されながらもたくましく生きるユダヤ人女性の、波乱の半生をドラマティックに描いた作品です。 ハリウッドで成功を収めているポール・バーホーベンが、23年ぶりに母国オランダで制作し、本国では7週連続興行収入第1位というメガヒットを記録したそうです。美しいだけでなく、強く毅然としたヒロインを演じたカリス・ファン・ハウテンがとても魅力的に映りました。ドイツ将校でありながら良心を持つムンツェを、『善き人のためのソナタ』のセバスチャン・コッホが演じていました(太っていたのでビックリ!?)。 “ブラックブック”に記された真実は? そして本当の裏切り者は誰なのか? というサスペンスも盛り込み、エンターテインメントとしても楽しめる大作に仕上がった作品でした。
1944年、ナチス占領下のオランダ。美しいユダヤ人歌手のラヘル(カリス・ファン・ハウテン)は、南部へ逃亡する途中、ドイツ軍により家族を殺されてしまう。レジスタンスに救われたラヘルは、エリスと名を変え、髪をブロンドに染めレジスタンス運動に参加する。彼女はその美貌を武器にスパイとしてドイツ人将校ムンツェ(セバスチャン・コッホ)に近づいていくが、その優しさに触れ、次第にムンツェを愛するようになってしまう。一方、レジスタンス内では裏切り者の存在が浮かび上がる・・・・。
『トータル・リコール』のポール・ヴァーホーヴェン監督が、母国のオランダで撮った戦争ドラマです、ポール・ヴァーホーヴェン監督ってオランダ人だったんですね。 家族をナチス・ドイツに殺されたユダヤ人の女性の、スパイとしてナチス・ドイツに接近しよえとする過酷な運命を描いています。 主人公のカリス・ファン・ハウテンがユダヤ人のラヘル=エリスは演じています、ナチスの空爆で家族を失ったと思ったら生きて再会出来て喜んでいたのですが、仲間であるはずのレジスタンスのファン・ハインの裏切りで逃げようとした家族や仲間をナチスに殺されてしまいます、よくオランダもこういう戦争の物語の舞台に使われますよね。 ラヘルはエリスとなって髪の毛を金色に染めてレジスタンスの仲間となり、電車で知り合ったナチスの将校ムンツェのスパイになるんですが、下の毛も染めてナチスの大尉のムンツェの愛人になってナチスの情報を得ようと彼に近付きます、でもムンツェは想像していたよりも人間らしい男で・・・。 それにしてもカリス・ファン・ハウテンという女優さんは魅力的でした、表情も豊かだったしとてもキレイな身体でした、他の作品でも見てみたいなと思わせてくれる女優さんでした。 そこからラヘル=エリスの人生はまた二転三転するのですが、印象的だったのはナチスの迫害から自由になった人々が、今度は報復のようにナチスに加担していた人々に同じような暴力的な行為を行います、戦争は人々をおかしくしてしまうし感覚も麻痺させてしまいますね、どんな理由があっても戦争を正当化してはいけませんね。 ムンツェ役の俳優さんはどこかで見たことがあるなぁと思っていたら、『善き人のためのソナタ』のドライマン役のセバスチャン・コッホでした、少し太っていたのですぐには気付きませんでした。 ラストが近付くに連れて”裏切り者”探しの要素も加わってきて、物語も大きく変わってきます、”裏切り者”も意外な人間でしたが”裏切り者”扱いされたエリスも可哀相でした、かなり楽しめるエンターテイメントになっていました、お勧めします。 |