 | 小松左京の「日本沈没」がベストセラーになった1973年、筒井が発表した原作(筒井はちゃんと小松の許可を得て書いたという)を、「日本沈没」の2度目の映画化が行われた2006年、それに便乗するかのように映画化したという、人を食ったような企画が本作です。 監督は「いかレスラー」などの独特な感覚が知られる河崎実監督。意味を求めず、質より量といわんばかりに脱力系ギャグを畳みかける作風を本作でも貫きつつ、1973年版「日本沈没」に主演した藤岡弘隊長やTV版「日本沈没」に主演した村野武範を大役にあてて、ちょっぴりマニアックなリスペクトを見せていました。
2011年。原因不明の大規模な天変地異によって、アメリカ大陸が一週間で海に沈んだ。世界各国が合衆国からの難民を受け入れたものの、犠牲者の数は天文学的数字に。ペピトーン合衆国大統領と政府首脳はエアフォースワンで脱出、日本の沖縄米軍基地にやってくる。しかし異常事態は終わらなかった。一週間後、中国大陸が沈没を始め、立て続けに各大陸が沈没。結局数週間で、日本以外のすべての陸地が沈没してしまう…。
文字通り『日本以外の国と地域が全部沈没』した世界で、巻き起こる大混乱を描いたナンセンス・コメディでした。モト冬樹さんが主演した『ヅラ刑事』を手掛けた河崎実監督が、脱力系ギャグを畳みかける独特な作風で笑えましたね。 原作は『断筆』宣言したのに何故か頑張ってる筒井康隆の同名小説で、元ネタでもある『日本沈没』に主演した藤岡弘さんも出演していました、コメディ映画なんかできるのかと心配しましたが変なテンション相変わらず高くて笑えました。 日本の総理を村野さんがとぼけた感じでやっていたのが笑えました、小泉と安部元首相を併せたような名前だったし、各国の首脳は日本にお世辞や愛想を振りまいて日本に媚び諂うようになるしで、世界各国から抗議の電話が殺到するんじゃないかと心配するような部分もありましたが。 とにかく徹底的なナンセンス・ギャグで最初から押しまくり、日本の人口の5分の4が外国人となってハリウッドスターも職を無くして、エキストラの仕事をしたり外国人が踏みつぶされる特撮ヒーロー物が流行ったりします。 スピルバーグとルーカスを併せたような監督が、『タバコを吸う女は人類の敵だ!!』というシャツを着ていたのも笑えましたが、反乱を起こす総書記にも笑えましたが日本は島国だから全部じゃないだろうけど、この映画に近いような事も起こるんだろうなとも思わされました。 小橋賢児や柏原収史に松尾政寿、寺田農にデーブ・スペクターなんかも面白かったです、お勧めします。 |