 | この映画はホラー作品ですが、あまり恐くもなければいい作品だとは思いませんでした。しかし敢てお勧めしたのは主演のアンナ・パキンと、母親役のレナ・オリンと祖父役のジャン・カルロ・ジャンニーニが出ているからです。 物語はこうです。 皆既日食の日、スペイン郊外の森で7人の子供が失踪し、一人の少年だけが助かるが「丸い家」「暗闇」といった言葉を呟くだけだった。 それから40年後。神経を患っている父マークの療養のため古びた一軒家に越してきたレア家に、不可解な現象が続発するようになる。マークはますます神経を高ぶらせ、幼い息子ポールの身体には不思議な傷跡をつくり暗闇を怖れるようになる。 やがて娘のレジーナ(アンナ・パキン)は子供達の失踪事件にまつわる驚愕の事実を知る事になり、家族を守るためにボーイフレンドのカルロスとともにたちあがる。40年ぶりの皆既日食が始まる時、再び惨劇がレジーナ達を襲う! 暗闇の描き方やポールの演技にはいいところも見られますが、今ひとつ中途半端というか上手くいっていないように思えます。 しかしラストはなかなか良かったかな、ホラー映画には欠かせない絶望的なラスト・シーンが。アンナ・パキンがいくら頑張っても、この家族は救われないと言うラストが。 しかし真に素晴らしいホラー映画のラストは、ゾンビに代表されるように絶望的なラストにもホンの僅かな希望を持たせるものだと思います。ちょっとラストが絶望的過ぎる気がします。 この映画をお勧めしたわけは、大きくなって見事に成長したアンナ・パキンと「蜘蛛女」などでの悪女振りが素晴らしいレナ・オリン、「ハンニバル」のジャン・カルロ・ジャンニーニを観ていただきたかったからです。 特にアンナ・パキンは「若くしてアカデミー助演賞を獲得した者は活躍しない」と言う風評があったので、その定説を見事に振り払って頑張っている彼女(X−MENなどにも出ていますね)を観て欲しかったからです。 ホラー映画慣れしていない人には、ホラー映画としてもお勧めです。
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