 | これはありがちなラブ・コメディですが、なかなか楽しませてくれる作品でした。 学生時代から本命の女の子の前となると、緊張してしまってテンで駄目なケビン(ランス・ベース)。ルックスも性格もいいので女性にもてないわけではないのだが、いざ自分が好きになった女性を前にすると、緊張して何も言えなくなってしまう。友人たちはそんなケビンをバカにしながらも、彼がいつか本当の恋に巡り会って幸せになってくれればと願っている。 そんなケビンが、新しい恋に巡り逢う、相手は電車の中で偶然知り合った名前も知らない若い女性。降りる駅までのほんのわずかな時間を楽しく過ごし、互いに単なる好意以上の感情を持ったという確信がありながら、おくてのケビンは彼女の名前も電話番号も聞くことができないまま別れてしまう。仲間にもさんざんバカにされ、仕事でも自分の積極性のなさに嫌気がさしたケビンは、一念発起して思い切った行動に出た。電車の中で知り合った女の子を捜すため、手製のポスターを何十枚も作って街中に張り出したのだ。このポスターの件は学生時代のライバルに新聞で取り上げられて大評判になるが、それによってケビンのもとには街中の孤独な女性(時には男性も)から電話が殺到するのだが……。 主演は男性人気ヴォーカルグループ、インシンクのランス・ベース。この作品が映画初主演とのことですが、とても上手に普通の”いい男の子”を演じていると思います。 ブリトニー・スピアーズの初主演映画も観ましたが(この映画ではありませんが)、彼女も上手に普通の可愛い子を演じていました、歌は聴いたことはありませんが。インシンクも以前セリーヌ・ディオンのライブに、ゲストで出演していたところを見たことしかありません、インシンクが何人組みかも分かりません。 でも本当に自然にケビンを演じていました、そんなに美男子ではないですが魅力的な主人公を好演していました。 主人公の憧れる相手役のアビーを演じたのは、「デトロイト・ロック・シティ」「A.I.」にも出演していたカナダ人女優エマニュエル・シューキーで、彼女もとても魅力的です。「スーパースターとの共演は物凄いプレッシャーだった」と言う彼女だが、可愛らしくて知的なヒロインを見事に演じています、冒頭に「褐色のエマニュエル・ベアール」と紹介しましたが、とっても魅力的な人です。 若い俳優たちを盛りたてるゲストも豪華で、ソウル・シンガー「アル・グリーン」が本人役で登場し、”ボン・ジョヴィ”のリッチー・サンボラやジェリー・スティラー(ベテラン喜劇俳優でベン・スティラーの父)。また同じくイン・シンクのメンバー、ジョーイ・ファトーンも学生時代からの親友で大切な役どころのロック・バンドのヴォーカルを、コミカルで人情味のあふれる演技でストーリーを盛り上げる。 また、ケビンとアビーの出会いの場となったシカゴの高架電車、通称"L Train"は、古くは『フレンチ・コネクション』、最近ではサンドラ・ブロック主演の映画『あなたが寝てる間に…』など、これまでにも度々映画やTVドラマの舞台として登場してきたシカゴの象徴的存在だとのこと。道理でどこかで見たことのある風景だと思いました、二人のラブストーリーに完璧な舞台を提供しています。 この「オン★ザ★ライン 君をさがして」は超大作ではありませんが、素敵なラブ・ストーリーに仕上がっていると思います、是非ゴールデン・ウィークにでも借りてご覧になってはいかがですか。
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