 | この作品はヒュー・グラントが主演していると聞いて、少し観る気になりましたが、説明文を読む限りプルース・ウィリスの出演している「キッド」みたいな映画かなぁと思いました。ある意味近かったかもしれませんが、こっちの作品の方が面白かったです。「ノッティング・ヒルの恋人」と並び、ヒューの代表作になるかもしれません。 ウィル(ヒュー・グラント)は、亡き父が放った一曲が大ヒットし(映画でもヒューやトニ・コレット達が歌うのですが僕は知らない歌でした)、その印税でリッチな生活を送る38歳の独身男。これまで定職にも就かずに、優雅で気ままな独身生活を満喫していた。そんなウィルが出会ったのは、一風変わったヒッピー志向の母フィオナ(「シックス・センス」や「ミュリエルの結婚」のトニ・コレット)と二人で暮らす12歳の少年マーカス(ニコラス・ホルト、ハーレイ・ジョエル・オスメント君よりも良かった気がします)。ウィルとは対照的に、マーカスの毎日は悲惨なものでした。学校ではいじめの標的にされて、情緒不安定な母は自殺騒ぎを起こす始末。母を心配するマーカスはやがてフィオナの支えとなる男性としてウィルに白羽の矢を立て、彼を付回すこととなる。フィオナに対する恋愛感情など全く持てないウィルは、初めは困惑していたが次第にマーカスを気にかけるようになる。ところがある時、ウィルの前に魅力的なシングルマザー、レイチェル(「ハムナプトラ」シリーズのレイチェル・ワイズ)が現れ・・・。 大人になりきれないウィルをヒュー・グラントが好演しているんですが、これが見事にはまっていて大笑い、彼はこういう役が多いように思いますが、見事にウィルを演じています。 「ブリジット・ジョーンズの日記」に似ているとか、ブリジット・ジョーンズの男の子版みたいな紹介のされ方もあるようですが、レニーには申し訳ないけどあの映画よりは大分面白かったです。「モーリス」でプチ・ブレイクし、「フォー・ウェディング」で全国区となった彼。代表作は「ウェールズの山」と「ノッティング・ヒルの恋人」だと思っていましたが、この「アバウト・ア・ボーイ」が僕の中ではとってかわるかもしれません。 そしてこの映画を盛り上げてくれるのは、マーカス役のニコラス・ホルト君の好演です、それが全てかもしれません、凄くいいと思います。彼が最後のほうで”ロバータ・フラック”の「やさしく歌って」を、発表会で全校生徒の前で歌うのですが、思わずこちらも”大丈夫か”と手に汗握って見入ってしまいました。彼のガールフレンドもマーカス君とは正反対ですが中々素敵な女の子で、この映画のセンスの良さのようなものを感じました。 レイチェル・ワイズも綺麗ですが、母親役のトニ・コレットが、不器用だけれど子供を心から愛しているフィオナを演じています。ちょっと変わった役柄を、普通に演じていると思います、やっぱり彼女は演技が上手ですね。 ストーリー展開は淡々としていますが、僕は自然と身を乗り出してこの映画を観ていました、無理に感動を強要しないのに勝手に感動してしまう作品でした。 ラストはこういう終り方もありかな?と、勝手に納得してしまうと言うかさせられると言うか。僕はこういう終り方は、はっきりしなくて嫌だと思うと思っていました。でもなんか妙にホッとしてしまうんですよね、やっぱりマーカスのお陰なのかな?この映画、僕の今年所見の映画ランキングで上位に入ってくると思います、是非皆さんにお勧めします。 |