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「母たちの村」をお勧めします。

この事実は衝撃的でした。

画像:hahamooiaade01.jpg説明
少女が将来結婚するための通過儀礼の一つとして、アフリカの各地で今なお“女子割礼”という風習が続けられているそうです。
その伝統を頑なに守ろうとする人々と、それに反発して悪しき風習を廃止しようと立ち上がった母娘たちの、女性としての誇りと尊厳を賭けた闘いを、アフリカ映画の巨匠ウスマン・センベーヌが愛情と優しさをこめて力強く描き、世界中で数多くの映画賞を受賞した作品です。
そんなウスマン・センベーヌ監督は、2007年6月に、84歳で亡くなったそうです。
この「母たちの村」が、惜しくも遺作となりました。


 西アフリカのとある村。ある日、この村の女性コレ(ファトゥマタ・クリバリ)のもとに4人の少女がやって来た。彼女たちはこの村に古くから伝わる割礼を拒否して逃げ出し、コレに保護を求めたのだった。コレ自身も他の女性同様、割礼を経験しているが、その後遺症に苦しんできた。そのため7年前には、娘のアムサトゥ(サリマタ・トラオレ)には割礼をさせないという選択をしていた。少女たちは、そんなコレなら自分たちを護ってくれると、すがる思いで逃げ込んできたのだ。そしてコレは、少女たちを保護すると決心する。しかし、伝統に真っ向から逆らうコレの行動は男たちを困惑させ、村に大混乱を引き起こしてしまう…。


僕はアフリカのイスラム圏を中心に、今も続いている風習の゛女子割礼(女性器切除)゛があるなんて、この映画を見るまで知りませんでした。
この『女子割礼』という儀式はアフリカで古くからの伝統になっているようで、それがイスラムの教えと重なってより強固に根付いているようです。
男性もその『女子割礼』をアラーの教えとして尊重し、その儀式を受けていない女性を”ピラコロ”と呼んで差別し、嫁にもらわなかったりしているようです。
この『女子割礼』というのは命懸けの儀式のようで、何人もがその『女子割礼』で命を落としているみたいです。
出てくる女の子の2人のお姉さんが命を落としたとか、娘を亡くしたりこの映画でモーラーデ(保護)されていた4人の女の子のうち、母に連れ戻されて手術をされた女の子が命を落としました。
『女子割礼』を調べていて知れば知るほど怖ろしくなりました、表向きの目的は「女性をレイブから守るため」ということらしいですが、現実には男性の処女崇拝や女性器支配、
さらには女性の性感を奪うことにあるようです。
割礼を受けないと売春婦扱いされたり、結婚のときに「欠陥品」とされて親に婚資(男性が花嫁の父親に支払う財産や労働)が支払われなかったりするようです、それを恐れる親が娘に『女子割礼』を強いることになっているらしいです。
最後は”物語”なのでこういったストーリーになったと思いますが、現実はまだまだこういった状況がアフリカのイスラム圏には残っているのだと思います、ラストの女性達のシュプレヒコールがアフリカの多くの弱い立場の女性達の、心からの強いメッセージだと思いました。
この映画も「ホテル・ルワンダ」同様に、お勧めではなく僕達一人一人の人間が人として観ておく必要のある映画だと思います。