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「ダーク・ウォーター」をお勧めします。

「仄暗い水の底から」よりも、良かったかも。

画像:darkwater.jpg説明
鈴木光司原作、中田秀夫監督のJホラー『仄暗い水の底から』を、舞台をニューヨークに移してリメイクされた不気味なホラーです。舞台となるルーズベルト島はイースト・リバーにある細長い島で、コンクリートに囲まれた無機質で冷たい雰囲気と孤独感が、黒い水の恐怖をより一層かきたててくれます。
そして、ほぼ全編に渡って降り続く雨と灰色の空気に満ちた湿った映像は、不快にまとわりつく湿気がじわじわと伝わってくるようでした。
日本では母親役を黒木瞳さんが演じていましたが、このリメイク版の母親ダリア役には「ビューティフル・マインド」でオスカー女優の仲間入りした、ジェニファー・コネリーが扮していました、見事に幼い娘を守る母親役を演じていました。
監督は、『モーターサイクル・ダイアリーズ』などで知られるブラジル出身のウォルター・サレス。この「ダーク・ウォーター」は初のハリウッド映画になりますが、これまで手がけてきた秀逸ドラマと同様、見事な監督ぶりでした。
他にも「海の上のピアニスト 」などの怪優ティム・ロスや「ブラス!」などの名優ピート・ポスルスウェイト、「 ラブ・オブ・ザ・ゲーム 」や2007年のオスカーにもプケゼンターとして出ていたジョン・C・ライリーなど、脇役陣も凄く豪華な作品でした。





 離婚調停中のダリア(ジェニファー・コネリー)は、5歳の娘セシリア(アリエル・ゲイド )の親権をめぐって別れた夫との争いが続いていた。娘と一緒に暮らすための部屋を求めて、ニューヨークのルーズベルト島にあるアパートへとやって来たダリア。薄暗く不気味な雰囲気漂うアパートだったがシングルマザーのダリアに贅沢は言えない。こうして、アパートの9階の一室で母娘ふたりの新生活が始まった。ところが、寝室の天井にある黒い染みが日に日に大きくなり、黒い水までしたたり落ちてくる。さらに、裁判の行方も気がかりで、ダリアの心は不安とプレッシャーで押し潰されてゆく…。



この『ダーク・ウォーター』は、Jホラー『仄暗い水の底から』のハリウッド・リメイク版ですが、日本のオリジナルよりも良く出来ていたように感じました。
日本版のオリジナル『仄暗い水の底から』の母親役には、黒木瞳さんがナカナカ見事に演じてましたよね、少し「私が母親よ!!」と言わんばかりの”大袈裟”ともとれる演技でしたが。
どの女優さんを母親役に起用するのかと思っていたら、オスカー美人女優のジェニァー・コネリーを持ってきましたね、その時点でこの映画のデキが決まったと思いました、ジェニファー・コネリーは見事に母親ダリア役を演じていました。
ホラーだったからかな、賞レースには全然絡んでこなかったけど、僕は見事に強くて弱くて危うくて脆い母親を演じていたと思いました。
『仄暗い水の底から』の黒木瞳さんの母親役も良かったですが、黒木瞳さんの母親に”情緒不安定”さを加えた演技は良かったです、欲を言えばもう少し親子のつながりを感じさせてくれるシーンが欲しかったですかね。
日本版では小木茂光 さんが弁護士役を演じていましたね、リメイクではティム・ロスが演じていたけどもう少し絡んでくるシーンが多くても良かったなと感じます、せっかくティム・ロスを使っているんですから。
ピート・ポスルスウェイト やジョン・C・ライリーの使い方と使いどころは、ベストでしたね、物凄くこの映画にマッチしていました、凄く良かったです。
ハリウッドやアメリカでは、日本のホラーは理解しにくいと思うんですよね、だから『THE JUON/呪怨』のようなホラーが新しく感じて受けたんですよね、僕等日本人には『THE JUON/呪怨』よりも『呪怨』のビデオ・オリジナル編の方が怖いですが。
アメリカは”ゾンビ”などのモンスター&クリーチャーの出てくるホラーは上手いですがJホラーのようなモノは苦手じゃないですか、原因と結果が分からないとシックリこないんでしょうね、それを考えるとウォルター・サレス監督は良くやったと思いますよ。
もう少し上映時間を延ばしてもいいから、もっと母と子の結びつきを上手く描けていたらと思います。
ですが良く出来た作品だと思います、お勧めします、僕はリメイクの方が良かったです。