 | 元炭坑夫にして、ミスターユニバース。イギリス女王からナイトの称号を与えられたショーン・コネリーが、ここでもその魅力を発揮してくれています。 ショーン・コネリーはスコットランドを愛して、スコットランドの分離独立を主張するスコットランド民族党の、熱烈な支持者でもあります。 そういえば、何時だったかスコットランドの民族衣装のスカートを巻いて、公の場に出たのを見た記憶があります。 「小説家を見つけたら」は、秀才高校生と伝説の小説家心の交流を描いた映画です、静かな感動を与えてくれる映画でした。 監督は「サイコ」や「 グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち 」のガス・ヴァン・サントです。 出演は「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 」や「007シリーズ」のショーン・コネリー(製作も)、これが映画初出演とは思えなかった演技を見せてくれたロブ・ブラウン。「 アマデウス 」のサリエリ以来、すっかり”嫌われ者役”が板についてきたF・マーリー・エイブラハム、「ピアノ・レッスン」や「 グース 」を経てすっかり美しく成長したアンナ・パキン、「シャフト」のバスタ・ライムスほか。
ブロンクスの高校生ジャマール・ウォレス(ロブ・ブラウン)は、プロのバスケットボール選手を夢見ていた。だが彼には同時にもう1つの才能があった。 それは文章を書くこと。ある時、仲間にそそのかされて、アパートの窓からいつも双眼鏡で外を見ている謎の老人(ショーン・コネリー)の部屋に忍び込んだ彼は、人影に驚いて創作ノートの入ったリュックを置いたまま部屋を飛び出してしまう。翌日、窓の下の彼にリュックが投げ返され、創作ノートには的確な感想が書き込まれていた……。
なんと言ってもまずはショーン・コネリーでしょ、あの存在感は凄いものがありますね。 「007シリーズ」や若い頃のショーン・コネリーも素敵ですが、頭が薄くなってきた頃からググッと渋みとともにカッコよさが増してきましたね、「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 」や「 ザ・ロック 」などは素晴らしかったですものね。 今回は偏屈な天才作家という役どころでしたが、そういわれてしまうとそれにしか見えないし、そんな難しい役をいとも簡単に(そう見えます)演じてしまうコネリーは凄いです。 ウィリアムはたった1冊しか本を書きませんでした、その理由は映画を観ていると明らかになるのですが、ジャマールにウィリアムがとくとくと話すシーンが印象的でした。 「人が一番恐れるものを知っているか? 自分が理解できぬものだ。自分が理解できないと、勝手に判断する」とか「先立ったものの安らぎが、後に続くものの不安を鎮まらせることはない」とか、「死ぬもの生きるもの、それに理由なんかない。人生を(長く)生きればそれがわかる」なんて素敵なセリフも吐いたりします。 ショーン・コネリーも凄かったですが今回が映画初出演というロブ・ブラウンが、コネリーに負けないくらい素晴らしかったです、バスケも出来るけど頭脳も明晰で小説家としての才能も素晴らしいという、難しい役を簡単そうに演じあげていましたね。ナイーブだけど着実に成功への階段を上っていくジャマールを、熱っぽく演じていました。 アンナ・パキンも良かったですね、主役の2人を邪魔しないようにしながら、ジャマールを支える恋人役をキュートな魅力で演じていました。 ラストの方にひょっこり出てきたマット・デイモン、最近はこういう”サプライズ・ゲスト”的なものが多いみたいだけど、間然にベン・アフレックを追い抜いてしまいましたね、チョイ役でもカッコよかったです。 そしてF・マーリー・エイブラハム。”サリエリ”をやって以来こういう役が多いし、実際に物凄く嫌味な役が多いですが、ここでも強烈に”サリエリ”ぶりを発揮してましたね。 音楽も素晴らしいです、全編をマイルス・デイビスのジャズが舞っているのですが、ラストをしめるのはここでも”IZ”の「Somewhere Over The Rainbow/What A Wonderful World 」でした。ホント最近この”IZ”のハワイアン、大人気ですね。 先生であるウィリアムと、生徒であるジャマールがともに成長しながら、それぞれの困難に立ち向かっていく映画です、お勧めします。
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