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「皇帝ペンギン」をお勧めします。

ナレーションがいらないくらいです。

画像:penpen.jpg説明
野生動物をじっくり追い続けるドキュメンタリーといえば、古くはクストーとルイ・マルの共同監督による『沈黙の世界』から近年の『WATARIDORI』にいたるまで、フランスが得意とするものです。僕は実際に両方のドキュメンタリーを見ました、確かに優れたドキュメンタリーで、どちらもフランス映画でした。
フランスではテレビをつけても動物ドキュメンタリーはよく放送されているらしく、そうした土壌があるのでしょうね。この「皇帝ペンギン」は人も住まない南極の奥地、しかもマイナス40度にもなる寒さの中で、子作り、産卵、そして子育てをする皇帝ペンギンたちの姿を追ったものです。画面には出てきませんが、8800時間という長い時間をかけて、南極の壮大な自然風景と皇帝ペンギンたちの生態を撮影撮影スタッフの苦労がしのばれる労作です。
メスが餌を求めて留守にしている間、オスたちは途中で卵を投げ出すこともなく、身を寄せあってその帰りを待つ。そして長い冬が終わり、ようやく太陽が姿を現わすシーンが感動的だ。地平線に頭を出した太陽は空に上ることなく、そのまま地面の上を滑るように横に移動してまた沈んで行く、すばらしいカットがある。4カ月間何も口にしないで、ヒナをかえす父親ペンギンの姿に、種を存続させようとする強い力を感じました。
 
 南極に冬がやってくる3月、多くの生き物たちが暖かさを求めて北へ移動する中、逆に南へと旅を始めるものたちがいた。ペンギンの仲間の中でもっとも大きい、皇帝ペンギンたちだ。隊列を組んで行進を始めるペンギンたちが目指すのは、外敵が近づきにくい氷山に囲まれた土地だ。ここでペンギンたちは、お互いのパートナーを見つけるための求愛行動を始める。5月末、産卵を終えたメスたちは卵を自分のパートナーに託し、100キロあまり離れた海へ向かう。自分とこれから産まれるヒナのための餌を求めて。
 とにかく自然は凄いと言うことが、良く分かります、8800時間テープを回したスタッフも凄いけどそれを当たり前のようにただやり通す”皇帝ペンギン”はもっと偉いです。
吹雪やブリザードの中で、雄々しく立っている皇帝ペンギンはカッコイイです、後姿に哀愁さえ感じました。
 ロマーヌ・ボーランジェやシャルル・ベルリングなどのフランスを代表する俳優さん達が、擬人化ナレーションを付けているんですが、それさえ邪魔に感じることもあったほどペンギンたちは素晴らしいです。
そう思っていたら、そういった俳優陣の擬人化ナレーション廃し、新たにモーガン・フリーマンによるドキュメンタリーとしてのナレーションをつけた『March of the Penguins』があるそうです、僕のようにあの劇中のセリフが邪魔であると感じた人が、結構いるって事ですね。今度是非見てみたいです。
ともあれ素晴らしいドキュメンタリーになっています、流石にオスカーを獲得しただけありますね、お勧めします。