 | 大女優ソフィア・ローレン、100本目の出演映画は、息子エドアルド・ポンティの長編監督デビューの記念すべき一作になりました。僕はブリジット・バルドーは全く良いとは思いませんが、クラウディア・カルディナーレやソフィア・ローレンは大好きです。 ジーナ・ローランズとニック・カサベテス母子同様、女優と、映画監督を父に持つ息子という血統書付き母子コラボレーションです。 映画自体もかなり良かったと思います、ニック・カサベテスよりもエドアルド・ポンティの方が、才能は上かもしれません。 脚本も手がけたポンティは、他人種他文化が融合し、「世界のモザイク」と異名をとるカナダの都市トロントを舞台に、過去に封印をして生きる主婦、父親の期待と良心の板挟みになる新進フォト・ジャーナリスト、父への怒りと憎しみから、自分の娘や夫と距離を置いてしまうチェリストの3人それぞれが、苦悩し、迷う姿を丁寧に描いています。ミラ・ソルヴィーノやデボラ・カーラ・アンガー、ピート・ポスルスウェイト にマルコム・マクダウェルら手堅い役者陣を配して織りなす人間ドラマは、見知らぬ他人同士の彼女たちに用意された出会いのシーンが殊更美しい。 家事やパートの仕事を黙々とこなすオリビア(ソフィア・ローレン)の唯一の楽しみは絵を描くこと。その芸術への情熱の裏には、長年連れ添った夫も知らない秘密があった…。戦場で撮った写真が「TIME」誌の表紙を飾ったナタリア(ミラ・ソルヴィーノ)は、悲惨な戦場の現実を思うと、フォト・ジャーナリストという仕事に疑問を持つのだった…。チェロ奏者のキャサリン(デボラ・カーラ・アンガー)は、服役を終えて父親が出所するのを待ちわびていた。ただ、復讐するために…。 この作品は良かったなぁ、デボラ・カーラ・アンガーって「クラッシュ」や「ゲーム」で乱したけど、初めて”凄くきれいな人だなぁ”と思いました、演技も素晴らしかったです。 ミラ・ソルヴィーノもさすがオスカー受賞者、見かけが派手で綺麗だからいつも同じような役ばかりだけど、今回はジックリと演技できる役で良かったですね、彼女も素敵なジャーナリストを気持ちよさそうに演じていました。 しかしなんと言ってもソフィア・ローレンでしょ、年輪のようなシワに彼女の秘めた情熱を感じました。 三人とも様々な問題を抱えながらも、懸命に明日を生きようとする力のようなものを感じました、群像モノだけどそれぞれが違う世界だから分かりやすいと思います。 最後に三人が出会うシーンがあるのですが、なんとも言えないイイ雰囲気をかもし出しているんですね、なんかこっちまで微笑んでしまいました。 とてもいい映画だ思います、お勧めします。
|