 | フランシス・メイズのベストセラー手記「イタリア・トスカーナの休日」を、オードリー・ウェルズ監督が自らドラマティックに脚色した物語です。一軒家を手に入れ、その上とろけそうに甘いマスクのイタリア男と恋ができるなんて羨ましい限りですが、それでも主人公・フランシスに嫌味が感じられずに共感すら覚えさせられます。 それは手間のかかるボロ家の修繕や異国の地での一人暮らしに悪戦苦闘する、その健気さにあると思います。 その健気なヒロインを、先日も「セクシーな世界の美女100人」の上位にも選ばれていた、ダイアン・レインが見事な美しさとともに演じています。 監督は「好きと言えなくて」や「Shall we Dance? 」の脚本なども手がけたオードリー・ウェルズ、共演は「サイドウェイ」のサンドラ・オーなど。 夫の裏切りは、まさに青天の霹靂。サンフランシスコ在住の作家・フランシス(ダイアン・レイン)は、離婚によって、住む家を失い、慰謝料まで払うはめに。失意のどん底にある彼女を、親友のパティ(サンドラ・オー)が、イタリアのトスカーナ地方をまわる10日間のツアーに強引に送り出す。鬱々としたまま旅を続けるフランシスだったが、コルトーナという町で、“ブラマソーレ(太陽に焦がれる)”の名を持つ築300年の売り家に一目で惚れ込み、衝動買いしてしまう…。 ダイアン・レインがいいですね、ただ美しくてチャーミングなだけでなく演技もとても上手いです。 他人の助け無しでは何も出来ないと痛感し、友情や家族の意味についても考えを新たにする。そんな大人の女性を、知的でコミカルに演じるダイアン・レインは上手いですね、まさにこの映画は「ダイアンの、ダイアンによる、ダイアンのための映画」ですね。 勢いで異国のさびれた一軒家を衝動買い(チョット笑えるところですが)、その家の修繕を始めてしまったものの、大それたことをしてしまったと思って途方に暮れてへたりこんで諦めそうにもなります。孤独感や挫折感に苛まれながらも、人生を仕切り直そうという懸命さがひしひしと伝わってくる映画です。こういう役もとても似合いますね、イタリアの片田舎の風景もとても美しくて、そこで暮らしている人々も実にイキイキとしています。 元気になれる映画です、お勧めします。 |