 | 人は死んだ時に、魂の重さの分の21グラムだけ体重が軽くなるといいます。肉体的にはたった21グラムの差かもしれないですが、生きている人間と死んでしまった人間の差はかけがえないものなんだなぁと思わされました。 『アモーレス・ペロス』で世界中の映画賞を受賞したメキシコの新鋭イニャリトゥ監督の新作に、アメリカを代表する演技派俳優ペンとデル・トロとナオミ・ワッツの3人が集まりました。 過去、現在、未来と時制が入り乱れているので、知らなかった僕は少し苦労しましたが映画の半ば頃には慣れてきました。始めのうちは3人のパートが分かれて進行するのですが、最初のうちは僕のように映画に入り込むには苦労するかもしれません。しかし次第にそれぞれのパートがかみあってくると、見ているものの心を自然と強く揺さぶってきます。
夫と2人の幼い娘と幸せな生活を送っているクリスティーナ(ナオミ・ワッツ)。前科を持つジャック(ベニチオ・デル・トロ)だが、今は妻と2人の子どもと平和に暮らし、信仰に生きがいを見い出している。心臓移植手術を受けないと1カ月の命という大学教授のボール(ショーン・ペン)の元に、別居していた妻メアリー(シャルロット・ゲーンズブール)が戻り、彼の子どもを宿したいと申し出る。決して出会うはずのない彼らが、ある交通事故をきっかけに結び付く。その果てにあるのは希望なのか、それとも…。 流石にオスカー俳優とノミネート常連の女優さん、皆演技は抜群に上手いです。中でもナオミ・ワッツの気迫は凄い、ヌードもメチャメチャキレイです。「マルホランド・ドライブ」よりも美しく感じました。 これだけ話もしっかりしてて俳優陣の演技も最高、時間軸を交錯させないで普通にしても充分面白かったんじゃないかと思います。 滅茶苦茶重たいテーマですが、一見の価値は十分すぎるほどあります、是非お勧めします。 |