説明 |
---|
第57回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞に輝いた「ハーヴェイ・ミルク」でも描かれたミルク。ゲイへの偏見・差別が当たり前だった時代、あえてゲイだと公言し、サンフランシスコで市政執行委員選挙に立候補。数度の落選を経てついに当選したが、直後、凶弾に倒れた……。「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」のガス・ヴァン・サント監督(彼もゲイ)はミルクの人間性に入魂の演出で迫った。実力派男優ショーン・ペンはミルクになり切る熱演で、「ミスティック・リバー」に続き2度目のアカデミー主演男優賞を受賞。アカデミー賞では脚本賞も受賞。 ゲイの男性ミルク(ショーン・ペン)は1972年、20歳年下の恋人スミス(ジェームズ・フランコ)とNYからサンフランシスコに引っ越す。後にカストロ地区と呼ばれる地域でカメラ店を始めたミルクは、愛すべき人柄もあってゲイを中心に近隣住民たちからカリスマ視されるように。そんなミルクは自分のようなゲイら社会的弱者を守るべく政治に関心を抱き、市政執行委員に立候補。幾度かの落選を経て見事当選するが、同じ選挙で当選した保守的な男性ホワイト(ジョシュ・ブローリン)に憎まれるように……。 自らゲイであることを公表しゲイをはじめあらゆるマイノリティの、社会的地位向上のために立ち上がった伝説の活動家ハーヴィー・ミルクの波乱に富んだ後半生を、今作の演技で見事に2回目のオスカーに輝いたショーン・ペンの熱演で描く感動の伝記ドラマでした。 19722年のニューヨークが舞台。金融業界で働いていたショーン・ペン演じるハーヴィー・ミルクは、20歳も年下の青年ジェームズ・フランコ演じるスコット・スミスと出会い恋に落ちる。 変化を求めサンフランシスコに移住し同性愛者の多く住む“カストロ地区”でカメラ店を開き新生活をスタート、陽気なミルクの人柄が多くの人を引き寄せいつしか店は同性愛者たちの社交場となっていき、ミルクは同性愛者をはじめとした社会的弱者が抱える問題を改善するために積極的に活動するようになり政治に目覚めていく。 そして市の行政に直接関わるべくついには市政執行委員選挙にも立候補、自由な空気漂うサンフランシスコとはいえ同性愛者であるミルクの決断は周囲に大きな波紋を広げていくが・・・。 いきなり主役のハーヴェイ・ミルクを演じるショーン・ペンと彼の恋人になるジェームズ・フランコが、地下鉄の構内でキスをする所から始まってビックリしましたが『フラデルフィア』でゲイに対する抵抗は無くしたつもりでしたが、まだまだ甘かったのかもしれませんがこの映画でハーヴェイ・ミルクの事を初めて詳しく知ることが出来ました。 アカデミー賞で主演のショーン・ペンがアカデミーの演男優部門を獲得しましたが、作品や監督賞を穫ってもおかしくない程この「ミルク」という作品は素晴らしかったです、やっぱり『グッド・ウィル・ハンティング』のガス・ヴァン・サントの監督も脚本も素晴らしかったですし、おすぎさんも凄く誉めていましたがこの「ミルク」という作品もそれほどの作品になっていました。 保険屋だったハーヴィー・ミルクはゲイに優しい街サンフランシスコで政治活動に目覚めていき、“カストロ通りの市長”と呼ばれたミルクはやがて本物の政治家となります、1度目も2度目の市議選も負けますが諦めないミルクはより重要な下院議員選挙にも立候補、そしてまた負けますが諦めずにまた市政委員選挙に立候補してついに当選、ゲイやレズビアンをはじめ社会的弱者のためにハーヴィー・ミルクは立ち上がります。 脚本を書いたのはダスティン・ランス・ブラックという人で彼も同性愛者だそうです、1984年のドキュメンタリー映画「ハーヴェイ・ミルク」を見て自分たちにもより良い明日に希望があるのだと思い、もう一度世間に伝えなければならないメッセージを残さなければならないと思いこの脚本を書いたといいます。 ガス・ヴァン・サントはインタビューで『ミルクは暗殺されなければ素晴しい政治家になっていただろう』と話していました、それほど“ハーヴィー・ミルク”という人は魅力に溢れていたことがこの映画からも伝わってきます、それもこれもミルクを演じたショーン・ペンの力が大きかったと思いますし、良くも悪くも“ショーン・ペンの演技を見ること”がこの映画の見ることというくらいショーン・ペンの演技は素晴らしかったです。 最後にミルクを撃つ同僚だったダン・ホワイトを演じるジョシュ・ブローリンも最近大人気の『イントゥ・ザ・ワイルド』のエミール・ハーシュ、映画の中での最初の恋人スコットを演じるジェームズ・フランコやディエゴ・ルナも好演しています、暗くなる内容を軽く華やかに見せてくれラストのミルクの死を悔む人たちのローソクの灯が河の荘厳でした、お勧めします。 |