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「おくりびと」●をお勧めします。

第81回アカデミー賞で外国語映画賞に輝いた、話題の日本映画です。

画像:okuribito.jpg説明
2009年2月22日(現地時間)に開かれた第81回アカデミー賞で、かつて外国語映画賞が名誉賞だった時代を除くと、邦画として史上初めて外国語映画賞に輝いた話題の秀作です。
10数年前に、納棺師の世界を知って感銘した主演の本木自身が映画にすべく奔走し、「陰陽師」「二代目はクリスチャン」の滝田洋二郎が監督となって映像化されたのがこの『おくりびと』です。
納棺師というユニークな題材を通じ、“生と死”という普遍的テーマを芳醇に描いたのが感動的で、アカデミー賞以外も世界の各映画祭で絶賛を浴びました。納棺師になりきった本木雅弘のたたずまいが、山形ロケの風景共々実に美しいです、ぜひ家族揃って見て感動して欲しいです。



 チェロ奏者の大悟(本木雅弘)は楽団の解散を機に、妻の美香(広末涼子)と故郷の山形県酒田市へ引っ越す。そこで職を探すが、旅行会社と誤解し、遺体の納棺をする小さな会社《NKエージェン》に就職してしまう。最初は仕事の内容に戸惑った大悟だが、見習いとして社長の佐々木(山崎努)の鮮やかな手つきを見るうち、旅立つ故人を“おくる”仕事に満足を覚えはじめる。だが遺体を扱う仕事を美香に明かせない大悟は彼女に“結婚式場に就職した”と嘘をつき続ける。



第81回アカデミー賞で外国語映画賞に輝いた話題の日本映画です、納棺師になった男性の奮闘や家族との関係を笑いあり涙ありと感動的に描いています、ひょんなことから納棺師となった主人公が特殊な仕事に戸惑いながらも次第にその儀式に大きな意義を見出していく姿と、故人を見送る際に繰り広げられる様々な人間ドラマをユーモアを織り交ぜ丁寧な筆致で描き出していました。

チェロ奏者の本木雅弘演じる大悟は楽団の解散を機にチェロの道を諦め妻広末涼子演じる美香と故郷の山形へ、職探しを始めたが“旅のお手伝い”という求人広告を見て面接へ、旅行代理店だと思ったその会社の仕事は“旅立ち”をお手伝いする“納棺師”というものだった。
社長の山崎努演じる佐々木に半ば強引に採用されてしまった大悟は世間の目も気になり、美香にも言い出せないまま納棺師の見習いとして働き始める大悟だったが・・・。

素晴らしかった!!とにかくこの『おくりびと』は素晴らしいの一言に尽きる映画で“アカデミー最優秀外国語映画賞”受賞の名に恥じない素晴らしい作品でした、この「おくりびと」というのは山形県庄内平野の酒田市あたりに今も残っている風習で葬儀の時に遺体に化粧をほどこし、旅立ちの衣装を着せて棺に納めあの世に送り出す職業につく人を主人公にした映画です、クレジットにはありませんが青木新門さんの書かれた『納棺夫日記』という本が原案となっています。

この職業に就き10数年前に旅先で青木新門さんの『納棺夫日記』という一冊の本と遭遇してからモックン(本木雅弘)は、これをどうにか映画化したいとひたすらこの企画を暖めていてそれをプロデューサーの中沢敏明に発案し映画の脚本家デビューの小山薫堂が脚本を書き完成したのが「おくりびと」だとか、『納棺夫日記』の作者の青木新門さんは考えの違いなどから原作者の中には明記されませんでしたが原作となった作品は『納棺夫日記』です。

監督は「コミック雑誌なんかいらない」で鮮烈デビューをしてから27年になる滝田洋二郎さん、滝田監督が「おれの映画をホメたことの無いおすぎがホメているって…」と言ったそうです、おすぎさんは『いい作品であればホメて当然であります』と言っていましたが“アカデミー最優秀外国語映画賞”の名に恥じない素晴らしい映画でした、久石嬢さんの音楽もとても素晴らしかったですし効果的に使われていたように思います。

最初のシーンやモックンが上村役の余貴美子さんが掃除していた棺を拭くシーンなど数々のギャグをちりばめながら、滝田監督曰わく『オープニングの雪の中を車でモックンと山崎努サンが走るシーン、俺なりにこだわりがあって何回やり直したかわからない』と答えていたシーンも良かった、“納棺師”という分からり難い職業で山崎努サン演じる佐々木や余貴美子サン演じる上村に騙されるように“納棺師”に採用される大悟、差別されやすい仕事の中で一人前になっていく大悟を本木はまるで本物の納棺師のように優雅に見せてくれます。

妻の美香を演じた広末涼子チャンや上村役の余貴美子さんも素晴らしかったですが山崎努サンが素晴らしい、妻の美香に“納棺師”だということがバレて“汚らわしい”と言われ仕事を辞めたいと社長の佐々木に言いに行くシーンで、ここでは書きませんが『美味いんだよな〜困ったことに』と大悟に向かって淡々と語りかけるシーンは面白さと人生観を教わったように思いました、素晴らしいシーンとセリフだったので是非皆さんにもご覧になっていただきたいです。

脇を固める役者さんたちも親友の山下役の杉本哲太にその母吉行和子さんやそのお風呂屋さんの常連さんに笹野高史さん、先日惜しくも亡くなってしまった山田辰夫さんが亡くなった妻の旦那さんを演じたシーンには思わず涙が出そうになりました、そして最後には疎遠になっていた父の峰岸徹さんも死人の役(本当に亡くなってしまいましたね)でしたが良かった。

コメディ・タッチでこんなに素晴らしい作品をつくったのもお見事、素晴らしかったので是非皆さんもご覧ください、お勧めします。