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「その名にちなんで」をお勧めします。

あなたの名前の由来は??と、訊ねてみたくなりました。

画像:Namesake01.jpg説明
原作はジュンパ・ラヒリの同名処女長編小説です、見合い結婚の末よりよい未来を求めてアメリカへ渡ったインド人夫婦が、新天地で経験するカルチャー・ギャップ。自分の名前の由来に深い意味がこめられているとも知らず、親からつけられた名に反発し、自身の真のアイデンティティを捜し求めて試行錯誤する息子。そんな親子2代にわたる移民家族の心の葛藤と人間的成長の過程を、自らもインドに生まれ、今や国際的に活躍する女流映画監督ミーラー・ナーイル監督(「モンスーン・ウェディング」)が心をこめ、こまやかなタッチで感動的に綴っていました。


1977年、美しいインド人女性のアシマ(タブー)は、アメリカの大学で学んでいたインド人の青年アショケ(イルファン・カーン)と見合い結婚をし、彼と共にアメリカに渡って新生活を営むことに。やがて2人の間に待望の男児が誕生。アショケは、自分にとってある重大な意義を持つロシア人作家の名を借りて、息子の名をゴーゴリと名づける。しかし、次第に青年に成長するにつれてゴーゴリ(カル・ペン)は自分の名に反発を感じるようになり、自己流にニキルと改名してしまい……。




デビュー短編集『停電の夜に』でピュリッツァー賞を受賞したジュンパ・ラヒリの処女長編にして世界的ベストセラー『その名にちなんで』を、「サラーム・ボンベイ!」「モンスーン・ウェディング」のミーラー・ナーイル監督が映画化した感動の家族ドラマでした、結婚後にアメリカに渡ったインド人夫婦とその子ども世代それぞれが抱える文化とアイデンティティを巡る葛藤と親子の絆を優しい眼差しで綴ります。

1974年、インド・コルカタ(カルカッタ)の学生イルファン・カーン演じるアショケは、列車での旅の途中親しくなった老人から“海外に出て経験を積め”とアドバイスされる、その直後列車は転覆するアクシデントに見舞われたアショケ。
3年後アメリカの大学に入ったアショケは見合いのためコルコタに戻りタブー演じるアシマと結婚、彼女を連れてニューヨークで新婚生活をスタートさせますが慣れないアメリカでの生活に戸惑うアシマ、やがて元気な男の子が生まれその子の名前はゴーゴリに決まるがカル・ペン演じるゴーゴリは成長するに従って自分の名前が嫌に、大学生になるとニキルと改名してしまう・・・。

この『その名にちなんで』は穏やかで派手さはない映画でしたが素晴らしい映画でした、人は誰でも名前を持っているものでそれは親が付けたものではなく大抵の場合親がつけるか祖父母(マフィアには“ゴッドファーザー”もあるそうですが)がつけるのが普通、その誰かによって付けられた“名前”とその”由来”をめぐって紡ぎ出されるお話しは、女性監督のミーラ・ナーイルが映画化しただけあってとても優しくて暖かくて穏やかな映画でした。

インドでは子供の名前を生まれてすぐにつけなくてもいいのだそうです、でもアメリカの病院では名前をつけないと退院出来ないと言われ仮に“ゴーゴリ”とつけますが、その“ゴーゴリ”という名前が嫌になったゴーゴリは名前を改名しますがそれがキッカケで家族との溝が出来てしまい、その溝はゴーゴリに恋人が出来た事から余計に深まりますがそんなある日オハイオの大学で教鞭をとっていたアショケの身に異変が起こります。

タブー演じるアシマの頭の良さそうな荘厳な美しさが強く印象に残りました、インドの人の美しさは『スラムドッグ・ミリオネア』のフリーダ・ピントもそうですがハンパないし妹ソニア役の女の子にモウシュミ役のズレイカ・ロビンソンも可愛かった、ゴーゴリ役のカル・ペンもこれまでテレビの『24』以外はコメディしか殆ど見かけなかったからビックリ、マクシーン役のジャシンダ・バレットも年齢は僕の二つ下なんですが相変わらず綺麗でこんな役も似合いますね。

自分につけられた名前によって子供としての道をはずしてしまった若者とその家族の絆を感動的に描いた秀作でした、アショケがニキルと改名してしまったゴーゴリに名前の由来を説明するシーンやラストの母親アシマの生き方にも感動、『泣け泣け』と迫る最近の感動を押し売りするような映画ではありせんでしたが静かな感動を呼ぶ映画でした、お勧めします。