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「グッド・シェパード」をお勧めします。

デ・ニーロにマット・デイモン、アン・J共演です。

画像:goodshepherd.jpg説明
ロバート・デ・ニーロにとって「ブロンクス物語/愛につつまれた街」以来13年ぶりとなる監督第2作目です、彼自身がCIA(米中央情報局)の元局員からリサーチした事実と推測を「インサイダー」の脚本家エリック・ロスがまとめ、冷戦を背景とするミステリー仕立ての壮大なドラマに仕立てていました。
コッポラ監督の「ゴッドファーザー」のような重厚さもあって、3時間近い長尺ですが飽きさせませんでした。主演は当初予定されたレオナルド・ディカプリオに代わってマット・デイモンに、結果的にはこれが大正解になったと思います。同じスパイ物ながら活劇の《ジェイソン・ボーン》シリーズとは異なる渋いキャラ作りに成功し、ロバート・デ・ニーロ自らも出演するほかアンジェリーナ・ジョリーやアレック・ボールドウィン、ウィリアム・ハートやジョン・タートゥーロなども出ています。

 

 第二次世界大戦の直前。イェール大で秘密結社に所属する学生エドワード(マット・デイモン)はFBIを手伝うなどの活動を機に国の諜報活動に深入りしていく。一方、耳の不自由な女学生ローラ(タミー・ブランチャード)と恋に落ちるが、親友の妹クローバー(アンジェリーナ・ジョリー)を妊娠させたため彼女と結婚する。やがてOSS(戦略事務局)の一員として単身渡英するが、その間に妻と疎遠になり悩む。戦後帰国したエドワードは家族の大切さを意識しながら、新たに創設されたCIAでの任務に没頭する。



「ブロンクス物語/愛につつまれた街」以来13年ぶりにメガホンを執った、ロバート・デ・ニーロの監督第2作目となる人間ドラマでした、これがまだ2作目とは思えないデ・ニーロの力作でした。
製作総指揮のフランシス・フォード・コッポラほか一流スタッフが結集し、仕事と家族の狭間で揺れる主人公の葛藤を軸にCIA誕生秘話を壮大なスケールで描いていました。
主演は「ボーン・アイデンティティー」シリーズのマット・デイモンに「Mr.&MrS.スミス」のアンジェリーナ・ジョリー、共演のウィリアム・ハートやジョン・タトゥーロにアレック・ボールドウィン、マイケル・ガンボンにジョー・ペシなどこれまた豪華な顔ぶれで皆頑張ってました。

第二次大戦間近のアメリカが舞台です、イエール大学に通うマット・デイモン演じるエドワードはFBIやロバート・デ・ニーロ演じるサリヴァン将軍から、スカウトされたことを機に国の諜報活動に従事していきます。耳の不自由な女性タミー・ブランチャード演じるローラや友人の妹アンジェリーナ・ジョリー演じるクローバーと出逢い結婚。
そんなエドワードは冷戦時代でOSSの流れを汲んで創設されたCIAで働き始め、仕事に没頭して家庭との溝がますます深まりますが成長した息子エディ・レッドメイン演じるエドワード・ウィルソン・ジュニアもCIAに、そして事件が・・・。

ロバート・デ・ニーロが13年振りにメガホンをとった映画「グッド・シェパード」はビックリする程素晴らしい作品でした、おすぎさんは“静かな映画”と言って誉めてましたがデ・ニーロにこんな素晴らしい映画を撮る才能があったんだと思わされました。

スパイ・エージェントものの代表作といえば「007/ジェームス・ボンド」や「ミッション・イン・ポッシブル」のように、派手なアクションやサスペンスが売りもののものが多いかもしれませんが、今回デ・ニーロが描いたCIAの元となる機関のスパイ・エージェントの姿はかなり地味なものでした、しかしマット・デイモンの冷静で確かな演技やウィリアム・ハートにジョン・タトゥーロらの演技は素晴らしかったです。

マット・デイモン演じるエドワードが大学内のエリート集団秘密結社スカル&ボーンが、後の『CIA』の前身となるというのも非常に興味深かったですし、こんなハリウッドの映画に良く出てくるような“秘密結社”がCIAの始まりだとは知りませんでした。

良くも悪くもアン・Jって個性が強くて割と自分の出た映画はアン・J色の映画になってしまいますよね、この映画でもアン・Jは強烈な個性を発揮していますがアン・J色の映画にはなっていませんでした、デ・ニーロの盟友で名優のジョー・ペシもチョコッと登場して流石の存在感を見せつけていましたね。

元CIA職員の話しを聞いたり徹底したリサーチで彼等の生活がいかに家庭を犠牲にしなければならないかということや、息子でさえ自分の腕に抱きしめられない現実をキューバ・ピッグス湾事件をクライマックスに描いています、マット・デイモンやアン・Jが19歳から41歳までの役作りも見どころの一つです。

期待していた以上の映画で良かったです、お勧めします。