 | 話題作「ベルリン、僕らの革命」でも、独自の革命活動に情熱を燃やす青年主人公を魅力的に演じた人気俳優のダニエル・ブリュールが、本作ではフランコ独裁政権末期のスペインで反体制活動に殉じた実在の青年サルバドールをハマリ役で好演していました。 正当な裁判を受けることもないまま死刑宣告を受け、世論の抗議の声も空しくあまりにも理不尽な極刑によって、若き命を摘み取られる主人公の最期が何とも痛ましくて観ているこちらに重く苦い後味を残すような作品でした。共演はレオナルド・スバラグリアに「トーク・トゥ・ハー」のレオノール・ワトリング、監督はスペイン生まれのマヌエル・ウエルガ監督です。
1970年代初頭、フランコ独裁政権下のスペイン。正義感溢れる青年のサルバドール(ダニエル・ブリュール)は、抑圧的な現状を打破して自由な空気を取り戻したいという熱い思いから、アナーキストの集団に仲間入りして反体制活動に従事。活動資金を得るため、次々と銀行強盗も企てるようになった彼らは警察に追われる身となり、ある日、激しい銃撃戦の末、サルバドールは遂に逮捕されてしまう。そして彼は、警官を撃って死亡させた罪により死刑を宣告され…。
フランコ独裁政権に反発してアナーキスト集団の活動に身を投じ、わずか25歳の若さで死刑に処せられた実在の青年サルバドール・ブッチ・アンティックの、最期の瞬間を見つめた実話の人間ドラマでした、主演は「グッバイ、レーニン!」「ベルリン、僕らの革命」「ボーン・アルティメイタム」のダニエル・ブリュールです。
1970年代初頭のフランコ独裁政権下のスペインを舞台に、自由を愛し正義感にあふれた青年ダニエル・ブリュール演じるサルバドール・ブッチ・アンティックは、世の中を変えたいという純粋な気持ちから無政府主義グループに参加し反体制活動に関わるようになります。 そして活動資金を得るために銀行強盗にも手を染めることに、やがて警察にマークされたサルバドールはついに追い詰められ激しい銃撃戦に巻き込まれます。 その混乱の中彼の撃った銃弾は若い警官を直撃しサルバドール自身も瀕死の重傷を負ってしまいます、撃たれた警官は死亡し一命を取り留めたサルバドールは逮捕され軍事法廷にかけられ死亡した警官には別の銃弾も残っていたことが明らかとなりますが、死刑判決を覆すことは出来ませんでした。 減刑を求める家族や世論の声もむなしく、死刑執行の時は刻一刻と迫っていきますが・・・。
よく映画や世界史などで“スペインの独裁政権”の事が出てきますが、この映画を見ると本当にスペインの独裁政権は凄まじいモノだったんだなぁと思わされました、世界大戦が終わって暫く経つのにまだこんな独裁政権が僕の生まれた世の中でも生きていたことに驚かされます。
しかしダニエル・ブリュールは本当にハンサムで演技の上手い俳優さんですね、『ボーン・アルティメイタム』で亡くなったフランカ・ポテンテの兄役でワン・シーンだけ出演していましたが、あの作品でも不思議な存在感を残してくれました。
政権に反した罪や警官を殺した罪で捕らえられましたが、確かに犯した罪は大きいですがろくな審査もされず警官を殺したピストルの弾が2発あったのに、医者の発言とともに全く無視されて真っ当な裁判すら受けられないのは異常に映りました。
元彼女で事件に巻き込まれそうになるクカ役で、美しいレオノール・ワトリングが出演していましたが結構独裁政権下の人々の、抑圧された生活ブリや圧制などもよく描かれていたと思います。
最初はサルバドールを嫌っていた看守のレオナルド・スバラグリア演じるヘススとの触れ合いや弁護士とのやり取り、特にラスト40分は僕も見入ってしまったほど迫力があって感動的でした、彼の死がその後のスペイン全土に影響を与えて世論を動かしてヨーロッパ中をも動かしたとか、サルバドールの家族は今も再審の要求をしているそうです。
お勧めします、スペインの内戦の歴史の勉強にもなりました。 |