 | 「ミスティック・リバー」「ミリオンダラー・ベイビー」の巨匠クリント・イーストウッド監督が、太平洋戦争で壮絶を極めた硫黄島での戦いを、アメリカ側、日本側それぞれの視点から描く2部作の第1弾です。僕の手違いでこちらを後に観る事になったのですが、順番的にはこちらが”硫黄島”2部作の第1弾なんですよね。 硫黄島の擂鉢山に星条旗を掲げる6名の兵士を写した、有名な戦争写真の裏側に秘められた真実の物語を描く人間ドラマです。写真に登場する6名のうちの一人ジョン・ブラッドリーを父に持つジェイムズ・ブラッドリーの著わしたノンフィクション『硫黄島の星条旗』を基に、凄惨な硫黄島での戦いと戦場を生き延び帰還した3名の若者が、自らの思いとは無関係に“勝利の象徴”として英雄に祭り上げられ、戸惑いや苦悩を深めていくその後の人生を静かに見つめていくドラマです。なお、2部作の第2弾は日本側から描く「硫黄島からの手紙」で、こちらはアカデミーの作品賞にノミネートされましたね。
太平洋戦争末期、硫黄島に上陸したアメリカ軍は日本軍の予想以上の抵抗に苦しめられ、戦闘は長引き、いたずらに死傷者を増やす事態に陥っていた。そんな中、擂鉢山の頂上に星条旗が高らかに翻る。この瞬間を捉えた1枚の写真が銃後のアメリカ国民を熱狂させた。星条旗を掲げる6名の兵士、マイク(バリー・ペッパー)、フランクリン(ジョセフ・クロス)、ハンク(ポール・ウォーカー)、レイニー(ジェシー・ブラッドフォード)、アイラ(アダム・ビーチ)、ドク(ライアン・フィリップ)は一躍アメリカの英雄となるのだった。しかし、その後祖国に帰還したのはドク、アイラ、レイニーの3人だけだった。国民的英雄として熱狂的に迎えられた彼らは、戦費を調達するための戦時国債キャンペーンに駆り出され、アメリカ各地を回るのだったが…。
この作品は『硫黄島からの手紙』との連作で、太平洋戦争の激戦地硫黄島での闘いを、アメリカ側の視点から綴った映画でした。 あの硫黄島でアメリカ兵たちが星条旗をたてる写真は、破産寸前で戦争にウンザリしていたアメリカ国民の、歴史を変えてしまう事になりました。そして実際に写真に写った彼らの人生をも、変えてしまうことになりました。 彼らの意志とは関係なく話題が先走ってしまい、彼らはヒーローに祭り上げられてアメリカの『集金マシン』として政府に利用されてしまいます、彼らは利用されていると知りながら協力せざるを得ない状況になります。 その中の一人゛ドク゛をライアン・フィリップが演じているんですが、この人は本当に演技力ありますよね、昔から演技力には定評がありましたがリース・ウォザースプーンと離婚してから一層上手くなったみたいですね。 『グリーン・マイル』の看守役で注目されたバリー・ペッパーも良かったです、。“6人の英雄”のリーダーだった古参兵で皆の兄貴分として尊敬されていた、マイク・ストランクを爽やかに演じていました。 アイラ役のアダム・ビーチがネイティヴ・アメリカンでヒーローの一人を演じていましたが、硫黄島の英雄なのに酒場で”インディアン”だから酒を断られます、 アメリカの根強い差別社会を反映させていました。 ジョニー・キャッシュが、「アイラ・ヘイズのバラッド」という曲を作って、彼に捧げたそうです。 実際にはたてられた旗は2枚あったことや、”掲げられた星条旗”にはこんなエピソードがあったことなど、今回初めて知らされたことも沢山ありました、僕としては「硫黄島からの手紙」の方が好きでしたがこちらもいい映画だと思いました、お勧めします。 |