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「カポーティ」をお勧めします。

フィリップ・シーモア・ホフマン、良かったですね。

画像:capo02.jpg説明
ノンフィクション・ノベルという新たなジャンルを切り拓いたと言われるトルーマン・カポーティの傑作『冷血』、その完成までの道のりを描き出して高い評価を受けた伝記ドラマです。
一家4人惨殺事件の詳細を本にすることで新たな成功を目論むカポーティと、彼の取材に協力する犯人との屈折した関係が生々しく綴られています。カポーティの複雑な人物像を巧みに演じきったフィリップ・シーモア・ホフマンはその演技が絶賛され、アカデミー主演男優賞をはじめ数々の映画賞を獲得しました。
監督はデビュー2作目の新鋭ベネット・ミラー、共演は「シービスケット」の”恐い顔大魔王”のクリス・クーパーに、「40歳の童貞男」のキャサリン・キーナーにブルース・グリーンウッドなどです。



 1959年11月15日、カンザス州の片田舎で農業を営むクラッター家の一家4人が何者かに惨殺されるという衝撃的な事件が発生。その前年、小説「ティファニーで朝食を」を発表し、ますます名声と地位を高めていた人気作家T・カポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、この事件に興味を抱き、早速、幼馴染みの女性作家ネル(キャサリン・キーナー)と共にカンザスの事件現場まで取材に赴くと、事件の関係者たちを訪ねて回り、独自の調査を開始する。やがて2人の容疑者が逮捕されて事件の捜査は大きな山場を迎え、彼らと面会したカポーティは、とりわけそのうちの1人、ペリー(クリフトン・コリンズ・Jr)に心惹かれると同時に、大いに創作意欲を刺激されて「冷血」を書き進めるのだが…。


2枚目ではないけれど超演技派のフィリップ・シーモア・ホフマンが、見事にオスカーの最優秀男優賞を獲得した作品です、偉大な小説家で米文学の旗手としてアメリカを代表する作家の、トルーマン・カポーティを演じた映画でした。
彼が実際に起きた一家惨殺事件の犯人を取材し、ノンフィクション小説の傑作で後に映画化された「冷血」を、書き上げるまでの経緯を描いています。
自分の名声を手にするためには犯人を巧みに利用する、狡猾な人物という一面がこの映画で露わにされていましたが、それだけではなくて非常に人間的な面も持ち合わせた男でした。
とにかくトルーマン・カポーティを演じるフィリップ・シーモア・ホフマンの演技が圧倒的でした、演技が上手すぎて怖いくらいでした、本物のカポーティの写真や映像も見たことがありますがあまりにソックリで驚かされます。取材のパートナーのキャスリン・キーナーやデューイ刑事役の”恐い顔大魔王”クリス・クーパーなど、芸達者な役者さん達も頑張っていましたが、フィリップ・シーモア・ホフマンの演技の上手さの前には霞んでしまう程でした。
確かに自分のためなら手段を選ばないような男でしたが、この『冷血』以降は一冊も出版しなかったことや、最後の未完の冒頭にの一行目の文、彼が『冷血』のモデルの処刑に立ち会ったエピソードなどを見ると、それだけでは無かったようにも思えました。
処刑されるペリーが処刑される時に言い残した言葉が、彼の日記に書かれていたスピーチの一説で、『言いたいことは思い出せない・・・』というのはちょっと感動的でした、本当に孤独だったんだろなと思いました。
知能指数は215、自称「ヤク中でアル中でホモで天才」のトルーマン・カポーティですが、映画自体も素晴らしかったですがフィリップ・シーモア・ホフマンの演技を見るだけでも価値はあると思います、お勧めします。