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「全然大丈夫」をお勧めします。

荒川良々に岡田義徳、なんかいいですよね。

画像:zenzendai487.jpg説明
独特の風貌で数々の映画やドラマで活躍する劇団大人計画の人気役者・荒川良々が、映画では初の主演を務めた脱力コメディです。共演にはドラマ「木更津キャッツアイ」の岡田義徳、ヒロインには「ブラインドネス」「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」の木村佳乃。
夢を語るばかりで何かするわけでなく、30歳を目前に迎えたオタク男、八方美人すぎて自分が出せない気弱なサラリーマン、不器用を通り越して周囲を破壊してしまう画家志望のヒロイン。まっとうな社会人になりそこなった3人が繰り広げる、ゆるい騒動と恋のさや当てを綴っています、ほか出演は蟹江敬三に根岸季依にココリコの田中直樹など。


小さな古書店を経営する一家の長男・照男(荒川良々)の夢は自分のホラー趣味を生かした本格お化け屋敷の建設。だが具体的に何かするわけでなく、30歳を間近にしてお人好しの友人・久信(岡田義徳)らとだらだらした日々を過ごしていた。一方、手先も人付き合いも破壊的に不器用な画家志望のあかり(木村佳乃)は、久信の務める会社に派遣されたものの、たちまち問題を起こしてクビになってしまう。見かねた久信の紹介で、彼女は照男の親の古書店で働きだすのだが……。



大人計画の人気役者・荒川良々を主演に迎え世間からちょっとズレた大人になりきれない不器用な男女3人の恋の行方を、ユルくて温かなタッチで丁寧に描いた異色コメディ・ドラマでした、共演は木村佳乃に岡田義徳で監督はこれが長編デビューの藤田容介。

古本屋の長男で植木職人の荒川良々演じる照男はホラーが好きで人をむやみに怖がらせるオタクな無責任男、夢は世界一怖いお化け屋敷を作ることで照男の幼なじみ岡田義徳演じる久信は八方美人でお人好しのサラリーマン。
ある日彼が勤める清掃会社の求人に木村佳乃演じるあかりという女性が応募してかますが、河原のホームレスを観察して絵に描く画家志望のあかりだったが手先も生き方もとびきり不器用、採用早々トラブルを連発してついに清掃会社を辞めるハメになったあかり、彼女に好意を抱く久信の紹介で照男の古本屋で働くことになるのでしたが・・・。

劇団“大人計画”の荒川良々が彼のとぼけた魅力タップリで照男を好演してましたし、最近映画に出まくっていてすっかり映画女優の木村佳乃がホームレス・ウォッチャーで絵描きで超不器用なあかりをちょっと病的に熱演していて魅力タップリ、お人好しで八方美人と上司に言われる照男の幼なじみのサラリーマンの久信も気が弱そうだけど“いい人”を好演、大人に成り切れない大人達を全体的に名作『間宮兄弟』のようなユルくてほのぼのした魅力で満ちた映画でした。

最初の方で古本屋のお客のカップルの女の『古本屋の本は汚い、鼻くそとか付いてるかも』という言葉は笑えました、確かに『ブックオフ』のような古本屋ではなく町の小さな古本屋は少し不潔に思えることもありますね、そういった小さな疑問をセリフにしたり出演陣に演じさせたりして感心したり“そうだそうだ”と思わせてくれたりしました。

なんてったって脇役陣が凄くて照男の父親で心を病んでる蟹江敬三に根岸季衣にきたろう、そして結構重要な役で骨董品の修復をしている湯原をココリコの田中直樹が好演していますがすっかりココリコ田中は俳優さんですね、照男の叔父の超リッチな小倉一郎など個性的な脇役陣も豪華で見事、ユルい雰囲気バンバンでしたが『間宮兄弟』と一緒で単なるナンセンス・ギャグなんかに頼るところが無くて良かったです。

照男と久信とあかりの三角関係に湯原が絡んできてこの4人の関係はどうなるのか、旅に出た照男の父親はどうなるのか、少し『間宮兄弟』よりは落ちると思いましたがお勧めします。