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「ここに幸あり」をお勧めします。

期待したほどではなかったかな??

画像:kokonisachiari.jpg説明
「素敵な歌と舟はゆく」「月曜日に乾杯!」など、遊び心に満ち溢れた軽妙洒脱な作風で世界中の映画ファンから愛されている、グルジア出身のユニークな映画作家オタール・イオセリアーニ監督。
この「ここに幸あり」という作品も、そんな彼ならではの持ち味が存分に発揮された映画でした。ある日突然大臣の座を失脚し、金に名誉・家族に住む家と、あれよと見る間に多くのものを失った主人公が、本当の心の豊かさと生きる喜び・幸せを見出す様子を皮肉とユーモアたっぷりに描いています。
「夜顔」の名優ミシェル・ピコリが、なんと主人公の老母役で登場するのも爆笑ものでした、結構セリフもありましたが似合っていましたよ。


現代のパリ。大臣として優雅な日々を送っていたヴァンサン(セヴラン・ブランシェ)は、ある日突然職を失って官邸から追い出されるハメとなり、妻にも愛人にもすっかり愛想を尽かされて、不意にひとりぼっちとなってしまう。何もかもなくした代わりに、かつてない自由を手に入れた彼は、昔住んでいた場所を久々に訪れて、再会した旧友たちと大いに飲み、語らい、また、優しい女性たちと次々に巡りあって、次第に本当の生きる喜びと幸せを見出すようになる。


グルジア出身の巨匠オタール・イオセリアーニ監督が立身出世の道を踏み外した中年男性を主人公に描く人生賛歌のコメディ・ドラマでした、大臣を失脚したこ男が厳しく辛い境遇の中から人生の真の喜びを見出していく姿を、監督独特のユーモアと寓意を盛り込み描き出しました。

ある日突然大臣の職を追われてしまったセヴラン・ブランシェ演じるヴァンサン、仕事とお金を失い愛人ばかりか妻にも愛想を尽かされ住む家も奪われてしまう。
踏んだり蹴ったりのヴァンサンでしたが懐かしき友との再会や優しい女性たちとの出会い、そしてお酒と歌と音楽が疲れた彼の心を少しずつ癒やしていきます・・・。

最初にいきなり棺桶屋で何人かの男が棺桶を選んでいるシーンから映画が始まったので、違う映画を録画してしまったのかと焦りましたがセヴラン・ブランシェ演じるヴァンサンが大臣をクビになっていたのであっているとわかりました、ヴァンサンがどういう人間でどれだけ金や権力に執着していたのかが良く分からなかったので、もう少しヴァンサンがどういう大臣かやヴァンサンのことを語ったりするエピソードを挿入したほうが良かったですね。

大臣をしていて適当な署名の毎日で変な法案のせいでそれによって解雇されたデモの責任を取って辞任、辞任させられても尽くしてくれた部下をクビにしたり別れた元妻との小さなケンカで医者に診てもらうヴァンサン、しかしヴァンサンは行く先々で古い友達や色々な女の友達に出会い触れ合うことで、新しい人生と生きる喜びを見出して行くというお話しでした。

ヴァンサンが『お金や大臣の地位に執着している』とのことでしたが、大臣の頃からお金や地位に執着していたようには思えずにいてクビになった前と後での比較が出来なかったがどうしても気になりました、大臣の頃からひょうひょうとして大臣を辞めた後も気兼ねなくひょうひょうと生きているようで、つまらない映画では無かったですが説明で『お金や地位に執着していた』という表現通りならばもう一つかなと思わされました。

名優ミシェル・ピコリがなんとヴァンサンのママ役で登場したのは笑えました、素敵な“人生賛歌”にはなっていたように思いました、お勧めします。